学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 千田 忠男 | 年度 | 2009年度 |
---|---|---|---|---|---|
タイトル | 少子化と晩婚化を考える |
内容 | 少子化・晩婚化の根底には何があるのか。それについて現代の若者世代がどのような意識を持っているのかを探る。結婚は愛し合った者同士が行うという考えが流布しているが、現実は、今までとは全く異なる生活を送っていた者同士の共同生活にほかならないのであり、生活水準の変化が伴う。パラサイトシングルは、高い生活水準を保ち比較的ゆとりのある生活を送っている。またバブルの時期には離婚件数が低下した。経済と結婚は切り離せない関係にある。他方、結婚制度と結婚意欲の関連をみると、フランス、スェーデンなど少子化に歯止めのかかった国ではいわば「お試し」期間を経て結婚する傾向があり、気軽で現実的な制度が功を奏している。それに応じ出生率も改善している。晩婚化の加速する日本においては、若いうちの男女交際に否定的な意見を考え直す必要がある。伝統と近代化のバランスを良くとりながら制度を少しずつ変えていかなければならない。 |
---|
講評 | すべての論文が現今において注目されている社会問題を取りあげているが、特に雇用労働問題と産業活動における諸問題を取りあつかった論文に鋭さが見られた。また、問題意識を鮮明にしながら複雑な問題事象に分け入るために方法を工夫するという姿勢も明らかであった。個々の論文に対しては次の点に注目して評価を加えた。 社会の中で生起する諸現象は、調査・検索による事実発見とその批判(考えられる反証をあげて、それにも耐えられるかどうかを試す)という手続きを踏むことによって、誰もが否定できない・誰もが認めざるを得ない・誰もがそこから出発しなければならない「事実」になる。そうした手続きが意識されているかどうか。 「事実」にたいする筆者の解釈を示す時にも、解釈はいく通りもありうるという事情を十分に理解して、自分の解釈を論理的かつ合理的に導こうとしているかどうか。 「事実」、「解釈」、「合理的な推論」をふまえて、合理的で実現可能な道筋をも含んだ「政策提案」をしようとしているかどうか。 これから社会で活躍する際に、卒業研究を通じて鍛えた理性を縦横に役立てることを期待して、詳細に採点した。 |
---|
キーワード1 | 晩婚化 |
---|---|
キーワード2 | 結婚 |
キーワード3 | 制度 |
キーワード4 | カップル |
キーワード5 |