学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 千田 忠男 | 年度 | 2009年度 |
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タイトル | 北欧小売業の経営精神に学ぶ |
内容 | 100年に一度の世界同時不況の最中、北欧の優れた工業国であるスウェーデンでは、家具のIKEAやカジュアル衣料チェーンのH&Mが右肩上がりの業績を残している。昨今、飽和状態にあった日本市場は、これら2つのブランドの新規参入により、激化の一途を辿っている。しかし、スウェーデンが人口約900万人の小国であることを考慮すると、これは驚異に値する事実だ。これらの超巨大小売企業はアメリカ型のグローバルスタンダードではない。北欧企業には少数精鋭で1兆円産業を産み出す独自の技術と知恵がある。徹底したローコスト経営・フレキシブルな生産体制・高い商品回転率(スピード経営)・分権化された組織体制などが特徴的だ。日本のインテリア業界やアパレル業界は、現状維持は後退と見なすユニクロの精神、消費者の目線に立ったデザインを徹底するFran Franc の指向性が、北欧小売業の経営精神につながる可能性がある。 |
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講評 | すべての論文が現今において注目されている社会問題を取りあげているが、特に雇用労働問題と産業活動における諸問題を取りあつかった論文に鋭さが見られた。また、問題意識を鮮明にしながら複雑な問題事象に分け入るために方法を工夫するという姿勢も明らかであった。個々の論文に対しては次の点に注目して評価を加えた。 社会の中で生起する諸現象は、調査・検索による事実発見とその批判(考えられる反証をあげて、それにも耐えられるかどうかを試す)という手続きを踏むことによって、誰もが否定できない・誰もが認めざるを得ない・誰もがそこから出発しなければならない「事実」になる。そうした手続きが意識されているかどうか。 「事実」にたいする筆者の解釈を示す時にも、解釈はいく通りもありうるという事情を十分に理解して、自分の解釈を論理的かつ合理的に導こうとしているかどうか。 「事実」、「解釈」、「合理的な推論」をふまえて、合理的で実現可能な道筋をも含んだ「政策提案」をしようとしているかどうか。 これから社会で活躍する際に、卒業研究を通じて鍛えた理性を縦横に役立てることを期待して、詳細に採点した。 |
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キーワード1 | 北欧小売業 |
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キーワード2 | インテリア |
キーワード3 | アパレル |
キーワード4 | |
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