学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 千田 忠男 | 年度 | 2009年度 |
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タイトル | トップスポーツ選手におけるドーピング問題 |
内容 | オリンピックなどでドーピングは禁止されている。しかし、疑問がある。自己決定権の自由は尊重されないのか、アンフエアなスポーツ環境のもとでドーピングについてのみ平等性が強調されるのは不平等ではないか、選手はハイリスクな手段を自主的に選択しているのだろうかなどなど。そこで、選手を取り巻く環境、特に経済的な事情との関連について検討した。その結果、ドーピングは倫理的規準からいえば相対的にいって許されない行為であり、安全と健康の面からいって絶対的に許容されない行為であると考えた。さらに、誰もがスポーツを楽しむことをスポーツの目標にするときにも絶対的に許容されないと考えた。トップスポーツ選手たちは厳しい経済状況なのでその支援を広く行うことがすすめられると主張した。 |
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講評 | すべての論文が現今において注目されている社会問題を取りあげているが、特に雇用労働問題と産業活動における諸問題を取りあつかった論文に鋭さが見られた。また、問題意識を鮮明にしながら複雑な問題事象に分け入るために方法を工夫するという姿勢も明らかであった。個々の論文に対しては次の点に注目して評価を加えた。 社会の中で生起する諸現象は、調査・検索による事実発見とその批判(考えられる反証をあげて、それにも耐えられるかどうかを試す)という手続きを踏むことによって、誰もが否定できない・誰もが認めざるを得ない・誰もがそこから出発しなければならない「事実」になる。そうした手続きが意識されているかどうか。 「事実」にたいする筆者の解釈を示す時にも、解釈はいく通りもありうるという事情を十分に理解して、自分の解釈を論理的かつ合理的に導こうとしているかどうか。 「事実」、「解釈」、「合理的な推論」をふまえて、合理的で実現可能な道筋をも含んだ「政策提案」をしようとしているかどうか。 これから社会で活躍する際に、卒業研究を通じて鍛えた理性を縦横に役立てることを期待して、詳細に採点した。 |
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キーワード1 | ドーピング |
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キーワード2 | 金銭的報酬 |
キーワード3 | スポーツ倫理 |
キーワード4 | IOC憲章 |
キーワード5 |