内容 |
雇用・仕事量・生活の不均衡に陥る日本にてワークシェアリングはこの状況を打破する重要な手段だと考えられる。ワーキングプアや派遣切り、正社員の長時間労働、ワークライフバランスの議論の高まりがアンバランスな日本の労働事情を物語っている。欧州ではこのような弊害を乗り切った経験があるが、その際に各国が独自のワークシェアリングを用いた。この政策や成果から日本が学ぶべき課題が見つかった。課題や改善点を欧州のワークシェアリングを参考することから具体化させ、そして実際日本で行われたワークシェアリング(民間企業・自治体主導)と対比させてみる。するとそこから日本型ワークシェアリングの方向性が見えてきた。それが世代間ワークシェアリングといい、現在日本が抱える問題を的確に捉え、仕事と生活双方が上手く調和出来る政策のことである。残念ながらワークシェアリングの議論は以前に比べ活発ではなく、保守的な姿勢(雇用を維持する)が一般的であり、積極的な姿勢(雇用創出、雇用改革)まで至っていないのが現状である。雇用維持のスタンスでは今回直面したような弊害(派遣切り、派遣村、内定取り消しなど)が今後も生じることが考えられる。この体制を見直し、労働者にとって豊かな人生を送るためにいかにすべきかを再考することが本論文の要約である。 |