学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 石田 光男 | 年度 | 2010年度 |
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タイトル | サークルにおける部員のモチベーション向上を目指す |
内容 | 大学生活4年間を通して、自身の成長を最も強く実感できたのがサークル活動であった。しかし現在、サークルは参加者の不振にある。この危機を脱するため、どうすれば不参加者が参加するようになるのか「人のやる気」というものに焦点を当て、論文を展開した。産業関係学で学んだ「働く意欲」で最も根幹的な、生活のための賃金という要素が省かれるため、より純粋な「人のやる気」について学ぶ機会を得られたのではないだろうか。「やる気」とは、非常に広範的な感情で、その範囲の中で人は行動に移す者もいれば思いを胸にとどめる者もいる。そこに内在するのはどちらにも「やる気」があるということで、行動する者のみを評価してきた自信を偏見という盲目から目覚めさせることができた。各人に宿る「やる気」が多様であるように、それを受け止める者も多様である必要がある。この論文をまとめるにあたって、多様な事情に対する多様な受け止め方(=)接し方が個人の自発性を促すのでは、と学ぶことができた。 |
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講評 | 卒業論文は一人一人の言葉の正しい意味での自己紹介だと思う。「わたしはこういう人間です」「これ以上でもこれ以下でもありません、私という人間は」ということをどうしても表現することになってしまうのが言葉の本性だからである。言葉遣いの現在の到達点、それが各人の卒業論文である。 印象に残る良き作品について若干の言及をしたい。「先生と私」は卒論テーマが定まらずに困った末に、ゼミの先生の研究をきちんと理解しようとした、素直で学生らしいよい卒論である。それも研究方法、研究態度を追いかけているのが優れている。私が何故、政策的指南を行わないのかをよく理解しようとし、その上で、にもかかわらず、私の研究は「生き方を指南している」という結論は鋭い。「教員組合のあるべき姿」は、わからないことを当事者にあたって調べるという産業関係論の実証的精神をよく体現した力作である。その心構えがよい。「感情と経験を言葉にする」は、西部氏の『人間論』をしっかり自分なりに読み込む努力が、通常の学生にない真摯さに貫かれていて私のような年配者に「もっと議論してください」と訴えているようで、誠に好感のもてる作品である。「グローバル社会で生き抜くための人材戦略」は私が唱える日本の伝統的人的資源管理の美点への「惑溺」的欠陥を若い世代の視点から覆そうとする、切迫感がすばらしい。心のこもった作品である。 また、最も嬉しかった作品は「日本の人事・賃金制度の歴史」である。何事にも無関心で無気力な同君が「私はこんなに変わりました」ということを喜びに満ちて表現しているからだ。教育をしていてめったに出会えなかった喜びだ。私が励ましを得た貴重な作品である。 偽りのない自分の到達点としての卒業論文を直視して、そこから自らの研鑽を積み上げていって欲しい。 |
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キーワード1 | やる気 |
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キーワード2 | 受け止め方 |
キーワード3 | 自発性 |
キーワード4 | |
キーワード5 |