学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 石田 光男 | 年度 | 2010年度 |
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タイトル | 非正規雇用にはなぜマイナスイメージがあるのか。 |
内容 | 派遣切り、派遣村など、非正規雇用に対してのマイナスイメージのある報道ばかりがされ、非正規雇用に対するイメージは悪い。しかし、これに対して行われている様々な対策がなされ、少しずつ社会が良くなっている事もまた、確かなことである。この論文では、熊沢誠(2006)『格差社会ニッポンで働くということ―雇用と労働のゆくえをみつめて』、本田由紀・内藤朝雄・後藤和智(2006)『「ニート」って言うな!』と 玄田有史・曲沼美恵(2006)『ニート―フリーターでも失業者でもなく』の言説と玄田有史(2010)『人間に格はない 石川経夫と2000年代の労働市場』の言説を比較し、フリーターと正社員の現状を紹介し、何故非正規雇用が増大したのか、そして非正規雇用に対するマイナスイメージが広がった原因について、述べていく。 |
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講評 | 卒業論文は一人一人の言葉の正しい意味での自己紹介だと思う。「わたしはこういう人間です」「これ以上でもこれ以下でもありません、私という人間は」ということをどうしても表現することになってしまうのが言葉の本性だからである。言葉遣いの現在の到達点、それが各人の卒業論文である。 印象に残る良き作品について若干の言及をしたい。「先生と私」は卒論テーマが定まらずに困った末に、ゼミの先生の研究をきちんと理解しようとした、素直で学生らしいよい卒論である。それも研究方法、研究態度を追いかけているのが優れている。私が何故、政策的指南を行わないのかをよく理解しようとし、その上で、にもかかわらず、私の研究は「生き方を指南している」という結論は鋭い。「教員組合のあるべき姿」は、わからないことを当事者にあたって調べるという産業関係論の実証的精神をよく体現した力作である。その心構えがよい。「感情と経験を言葉にする」は、西部氏の『人間論』をしっかり自分なりに読み込む努力が、通常の学生にない真摯さに貫かれていて私のような年配者に「もっと議論してください」と訴えているようで、誠に好感のもてる作品である。「グローバル社会で生き抜くための人材戦略」は私が唱える日本の伝統的人的資源管理の美点への「惑溺」的欠陥を若い世代の視点から覆そうとする、切迫感がすばらしい。心のこもった作品である。 また、最も嬉しかった作品は「日本の人事・賃金制度の歴史」である。何事にも無関心で無気力な同君が「私はこんなに変わりました」ということを喜びに満ちて表現しているからだ。教育をしていてめったに出会えなかった喜びだ。私が励ましを得た貴重な作品である。 偽りのない自分の到達点としての卒業論文を直視して、そこから自らの研鑽を積み上げていって欲しい。 |
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キーワード1 | 非正規雇用 |
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キーワード2 | 格差 |
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