学科	産業関係学科	ゼミ教員名	千田　忠男	年度	2010年度
タイトル	日本企業における成果主義の運用について

内容

現在、一般的にお金や給料の話がされるとき、成果、業績、報酬という言葉が使われる。そして、現在、賃金評価が行われるとき、必ずといっていいほど成果主義という言葉が出てくる。この成果主義とは何なのか、成果主義の役割は何なのかについてこの論文では考えている。また、成果主義の運営面での課題、問題点及びこれからの日本における成果主義がどのように変化していくのかについて探る。 　第一章では、参考文献からそれぞれの賃金制度の定義、語句説明、特徴を述べている。日本の賃金制度は大きく分けて年功主義、能力主義、成果主義の三種類に分類され、それぞれの特徴について詳細に述べた。 　第二章では、日本の時代背景と賃金制度の関わりを意識しながら、日本における賃金制度の変化について述べる。そして、日本の最初の賃金制度であった年功主義から能力主義への変化、そして成果主義への移り変わりについて吟味する。 　第三章では、成果主義賃金制度の本場であるアメリカについて、アメリカの賃金制度の歴史、特徴、成果主義とアメリカの社会制度の関わりを調べ、そこから日本との違いを比較する。 　第四章では、日本における成果主義の問題点を考えるとともに、これからの日本の成果主義を考察し、日本型成果主義という考えを提示する。

講評

私が担当した２０件の論考はすべて、目下の重要なテーマを取り上げている。それを大別すると雇用労働政策にかかわるテーマが11件と最も多く、次いで経済産業政策の課題7件、社会問題2件であった。このうち雇用労働政策に関する論考では男女共同参画事業にかかわる課題や仕事と育児を両立させる課題などが主に扱われていた。また、経済産業政策にかかわる論考では、グローバル化と不況対策を見据えた力作が多かった。 　ここの論考については次の点に即して評価した。 (1)社会問題をはじめとする政策課題にかかわる研究では、調査・探索によって事実を究明し、事柄の展開する道筋に即した問題解決策を提起することが重要である。そうした研究手続きが意識されることが必要であるが、そのことが意識されているかどうか。 (2)誰もが認識できる事実に対しても、その解釈は幾通りもあり得るという事情を十分に理解したうえで、合理的な解釈を導こうとしているかどうか。 (3)問題解決に向けて合理的であり、なおかつ実現可能な政策を立案しようとしているかどうか。 (4)以上に加え、これから社会で活躍する際に期待される意志と意欲を表現しているかどうかをも見て詳細に評価した。 　以上の視点にしたがって標記の論考を評価したところ、すぐれた研究成果であると判断できた。

キーワード1	成果主義
キーワード2	年功主義
キーワード3	能力主義
キーワード4
キーワード5