内容 |
近年、“企業の社会的責任”と訳されるCSRが急速に広がりをみせている。食品偽装や不祥事に備えて対応をとるリスクマネジメントや、コンプライアンスを守るということは、多くの企業で当たり前に行われていることである。今日のCSRはリスク対応や法令順守にとどまらず、企業が社会とともに持続的に発展していくために、人権・労働・環境など様々な分野に取り組み組織統治を行う「基本的CSR」として発展してきた。この基本的CSRは事業とは別に取り組むものでコストのかかるものと考えられがちである。しかし、CSRとは企業が社会の課題や要請に今一度目を向けることであり、新しい商品やサービスを提供できるチャンスであるととらえる必要がある。将来的に持続的な発展に有効なものであることを意識し社会課題を取り入れながら事業の中で行うCSR活動を「戦略的CSR」という。
この戦略的CSRは新卒採用の場で優秀な学生が集まりやすくなる「採用ブランドの向上」という効果をもたらす。CSRは企業の社会に対しての影響や社会の中での存在意義を明確にするものであり、「事業の社会的影響力や社会的意義」を意識しながら就職先を選ぶ学生が多いからである。今後、企業は就活生や新入社員に「戦略的CSR」の概念をしっかりと理解させ、従業員のモチベーションを上げるためにCSRを有効に活用していくことが求められている。
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