卒業論文詳細

学科産業関係学科 ゼミ教員名冨田 安信 年度2011年度
タイトルJリーガーのセカンドキャリア支援
内容  サッカー選手はプロとして活躍できる年数は短く、引退後にどんな職業生活を送るかということは選手にとって大きな課題である。サッカー選手でなくなる自分をなかなか受け入れることができず、不安を抱える選手が多い中、Jリーグ選手協会とJリーグが手を組み、選手のセカンドキャリア支援を積極的に行う機関として、Jリーグキャリアサポートセンター(CSC)を設立した。「CSC設立によって、引退後、一般企業へ就職する選手が増えた」という仮説を立てて、CSCへの聞き取り調査を行った。CSCの活動内容、スタッフの意見などを手掛かりに、CSC発足から現在まで、CSCが選手にどのようなサポートをしてきたのかを明らかにすることができた。今回の調査だけでは仮説を証明することはできなかったが、CSCが選手一人一人のために熱心にサポートしている姿を知ることができた。選手自身がセカンドキャリアを考え行動すること、たとえば大学を卒業しておくなど、社会人として必要な知識・教養を身につけておくことの大切さを選手が理解することが重要あると考える。CSCへの聞き取り調査で、そうなる日も遠くないように感じた。
講評  先日のゼミ発表後の打ち上げに、卒業して4年目のゼミの先輩6人が参加してくれました。就職活動中の3回生に何か話してもらおうと1人に声を掛けると、彼が同期生にも声を掛けてくれ、6人が集まってくれました。
 ゼミ発表の数日前、3回生が彼にゼミ発表する内容に関してメールでいくつか質問しました。「中小企業のいいところはどこですか」といったような質問でした。先輩からの返事のメールには、人に話を聞くときに大切なことが書かれていました。「本やネットで調べられることは調べて、それでもわからないことを質問しなさい」、「「自分はこう思うのですが」という仮説をもって質問しなさい」、「相手の答えを受けて議論が深まる、展開していくような質問をしなさい」の3つです。仕事をしていくなかで彼が学んだ質問の仕方です。彼のアドバイスは、卒業論文を書くことを通じて学生が身につけることができるものとつながっています。ゼミ生の卒業論文を読みながら、そうしたことをどれだけ意識して学生を指導できたかを考えると、反省するところが多いというのが正直な気持ちです。
 卒業生としゃべっていて興味深かったのは、入社したとき、関西よりも関東の大学出身者のほうが、プレゼン能力が高いと感じた人が多かったことです。単なるプレゼンのうまさというより、意味のある仮説を立て、それを根拠づけるデータを収集し、相手を説得できるよう筋道立った話ができる能力が高いということでしょう。翌日、大企業の採用担当者に会ったとき、このことを話しました。彼も採用面接で関東と関西の大学生の違いを感じることがあり、関東の大学生のほうが揉まれている、切磋琢磨しているという印象を受けるそうです。ディベート大会に参加した、懸賞論文に応募したというような話をするのも関東の大学生のほうが多いそうで、このあたり、何か関係があるかなと二人で話しました。数年前、他大学の先生からゼミ対抗のディベートをしませんかと誘いを受けましたが、なんとなく断ってしまいました。私のゼミ生の卒業論文のレベルアップにつながるいい機会だったかもしれません。
キーワード1 プロサッカー選手
キーワード2 セカンドキャリア 
キーワード3 Jリーガーキャリアサポートセンター
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