学科	産業関係学科	ゼミ教員名	阿形　健司	年度	2012年度
タイトル	演じさせられる高校球児～朝日新聞社・高野連・観客の共犯関係～

内容

高校野球といえば「さわやか」・「根性」・「汗と涙」などといったイメージが浮かぶ。それは高校野球の主役である高校球児の「高校生らしい」プレーや振る舞いから想起されるものだろう。しかし、その主役であるはずの彼らの「高校生らしさ」は、朝日新聞社と高野連と観客の三者によって演じさせられていることがわかった。朝日新聞社と高野連には古くから強い繋がりがあり、お互いが利益を得るため高校野球というイベントを盛り上げようとしている。一方、観客は高校野球の「高校生らしさ」に共感できることが多いということがわかった。そ のため大会主催者の朝日新聞社と高野連は、観客から人気を得るため高校球児に「高校生らしさ」を求めていくようになったというわけだ。 　そのように演じさせられている高校球児を見て疑問を投げ掛ける人も多く存在する。しかし批判する人々には、自分が演じさせている側の観客であることを留意してほしい。また、高校野球という国民的人気スポーツをここまで支えてくれた朝日新聞社と高野連に対する敬意も必要ではないかと思う。

講評	各自の問題意識に基づき研究に取り組んだ成果が卒業論文のできばえに表れている。今年度は欧文文献を参照した人が何人かいたことは喜ばしい。卒業研究に取り組んで獲得した知見と認識した課題を今後の人生にぜひ活かしてほしい。

キーワード1	高校野球
キーワード2	朝日新聞社
キーワード3	高野連
キーワード4	高校生らしさ
キーワード5	甲子園