内容 |
京都には「京都モデル」や「京都商法」、「京様式経営」と呼ばれる独自の企業モデルが存在する。本論文では、京都独自の企業モデルを「京都モデル」と定義して、特徴を挙げていった。京都は日本の歴史的にも中心地として存在し続けてきた。また文化的にも東山文化など数多くの文化を生み出してきた。そして、京都は西陣織や京焼き物といった伝統産業とマイクロチップや半導体といった先端産業が同居している珍しい都市ともされている。このような京都ならではの歴史・文化や産業構造が影響し、京都モデルは形成されたのであろうか。本論文では、京都の企業モデルの成り立ちを歴史・文化などの多角的な視点から分析し、「京都モデル」と呼ばれる企業モデルを考察していく。また、先行研究をもとに京都企業の特徴を再考察した。
その結果、京都の風土や京都の文化的な重厚さに企業モデルが影響されていることがわかった。そして、既存の京都モデルの矛盾点を挙げて、京都モデルと京都人の気質が関係しないことや保守性の欠如・環境の変化による京都モデルの変化を突き止めた。京都モデルは、京都の独自性を生かしながら、時代に順応して形を変えつつも守っていかなければならない。
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