学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 上田 眞士 | 年度 | 2012年度 |
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タイトル | Jリーガーの賃金とセカンドキャリアについて |
内容 | 一流と呼ばれるプロ選手にも必ず引退の時期が訪れる。その中でもサッカー選手は現役で活躍できる年数は短く、引退後のキャリア、つまりセカンドキャリアについて考えることは選手にとって大きな問題である。引退後について不安を抱く選手が多い中、Jリーグは2002年にJリーグ選手協会と手を組み、選手の引退後の就職支援を行う機関として、Jリーグキャリアサポートセンター(CSC)を立ち上げた。CSCの活動を検証し、その課題として選手啓発活動、知識・実務能力の習得、受け皿環境の整備の三点について考察する。例えば、商工会議所や教育機関と提携し、一般求職者と競合するために資格取得や専門的知識を得るなどして、選手市場と一般労働市場の力関係を対等にさせることでのセカンドキャリア形成の道筋を示していく。そして選手自身へのセカンドキャリアに対する自己認識教育も必要であり、そうすることで彼らのセカンドキャリアの幅は広がっていくであろう。 |
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講評 | 提出された卒論テーマを分野別に列挙してみると,「産業空洞化と地域経済」「家電企業の日韓比較」「若者の就職難と非正規雇用」「少子化とワークライフバランス」「貧困問題と生活保護,福祉国家」「プロスポーツ選手のセカンドキャリア」等々となっています。これらのテーマを通覧しただけで,一方での経済や経営のグローバル化の進展,他方国内での格差社会化の展開という,現代日本の雇用社会の諸相が浮かび上がってきます。たしかに,問題の掘り下げや論理的な記述の如何という点では,個々の論文ごとにバラツキもありましたが,基本的には卒論作成という課題に対して,ゼミ生皆が誠実に取り組んでくれた,そのように考えています。ここではゼミ生が取り組んだ卒論作業を締めくくる講評として,どういう論文が優れた論文なのか,研究に際して大事だと思われるポイントを二点ほど指摘しておきたいと思います。 一つには,政策提言の出来映えにではなく,問題把握や理解の深さ,広さにこそ,論文の命があるということです。そして,いま一つには,そのためにも本質的に批判的な研究であってほしい,そうした要望です。現代の雇用社会の住人である我々が,その雇用社会の一断面を取り上げ,現に存在するものを正面から受け止めようとするわけだから,そこでは必ず何らかの課題意識や問題意識が生まれてくるはずです。そうした現実に対して抱く緊張感を,論理的に整序して記述しようする姿勢が,論文の作成にとってはとりわけ大事だと思います。先人が述べてきたように,一方では,現にあるものをその存在の根拠から「肯定的」に理解すると同時に,他方では現実が抱え込んだ困難や矛盾を考察する「否定的」な把握も必要です。それが本質的に批判的な研究態度ということになるのだと思いますし,問題把握や理解の深さ,広さに繋がるのだと思います。超然とし過ぎだと言われるかもしれませんが,問題というものは,それがいったんしっかりと把握されたなら,社会が行動を通して,自ずと何らかの解決を見出していくことになる,そうしたものだと思います。 とはいえ,「言うは易く行うは難し」,これも先人の残した金言です。卒論の評価基準というよりは,論文を執筆する際の「心がけ」だと考えて欲しい,そのように思います。 |
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キーワード1 | プロサッカー選手 |
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キーワード2 | セカンドキャリア |
キーワード3 | Jリーグキャリアサポートセンター(CSC) |
キーワード4 | 教育 |
キーワード5 |