学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 上田 眞士 | 年度 | 2012年度 |
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タイトル | 母にやさしい国づくりとは |
内容 | 「母の日レポート2012 (State of the World’s Mothers(2012)」という、世界165か国の母親を取り巻く状況を総合的に考察し、順位付けした「母親指標 (Mother’s Index)」において、日本は30位という結果となった。これは日本の母親が決して良い環境の中で育児や家事、仕事をできていないということを表す。そのことを裏付けるかのように、未婚率の上昇や、出生率の低下が問題となっている。その背景には、女性の社会進出により働く女性が増えてきた中で、女性が仕事と育児を両立させることが困難であり、子どもを産み育てることに消極的になっているという現実がある。このことは、今後少子高齢化を防ぐためにも、解決しなければならない重要課題である。一方で、この母の日レポートで、上位に位置するスウェーデンは、誰もが仕事と家庭を両立でき、男女平等主義の政策により、女性にとって優しい社会を作り上げた。そして、著しく出生率を回復させたフランスは家族政策に重点をおき、多様な子育て支援を行ってきた。今後、日本が母親にとって優しい国となるために、女性の育児と仕事を両立しやすい社会をつくり、女性がいきいきと輝けるように様々な支援や取り組みが求められる。 |
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講評 | 提出された卒論テーマを分野別に列挙してみると,「産業空洞化と地域経済」「家電企業の日韓比較」「若者の就職難と非正規雇用」「少子化とワークライフバランス」「貧困問題と生活保護,福祉国家」「プロスポーツ選手のセカンドキャリア」等々となっています。これらのテーマを通覧しただけで,一方での経済や経営のグローバル化の進展,他方国内での格差社会化の展開という,現代日本の雇用社会の諸相が浮かび上がってきます。たしかに,問題の掘り下げや論理的な記述の如何という点では,個々の論文ごとにバラツキもありましたが,基本的には卒論作成という課題に対して,ゼミ生皆が誠実に取り組んでくれた,そのように考えています。ここではゼミ生が取り組んだ卒論作業を締めくくる講評として,どういう論文が優れた論文なのか,研究に際して大事だと思われるポイントを二点ほど指摘しておきたいと思います。 一つには,政策提言の出来映えにではなく,問題把握や理解の深さ,広さにこそ,論文の命があるということです。そして,いま一つには,そのためにも本質的に批判的な研究であってほしい,そうした要望です。現代の雇用社会の住人である我々が,その雇用社会の一断面を取り上げ,現に存在するものを正面から受け止めようとするわけだから,そこでは必ず何らかの課題意識や問題意識が生まれてくるはずです。そうした現実に対して抱く緊張感を,論理的に整序して記述しようする姿勢が,論文の作成にとってはとりわけ大事だと思います。先人が述べてきたように,一方では,現にあるものをその存在の根拠から「肯定的」に理解すると同時に,他方では現実が抱え込んだ困難や矛盾を考察する「否定的」な把握も必要です。それが本質的に批判的な研究態度ということになるのだと思いますし,問題把握や理解の深さ,広さに繋がるのだと思います。超然とし過ぎだと言われるかもしれませんが,問題というものは,それがいったんしっかりと把握されたなら,社会が行動を通して,自ずと何らかの解決を見出していくことになる,そうしたものだと思います。 とはいえ,「言うは易く行うは難し」,これも先人の残した金言です。卒論の評価基準というよりは,論文を執筆する際の「心がけ」だと考えて欲しい,そのように思います。 |
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キーワード1 | 少子高齢化 |
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キーワード2 | 未婚化 |
キーワード3 | 仕事と家庭の両立 |
キーワード4 | 女性の社会進出 |
キーワード5 |