内容 |
近年、日本社会において未婚化の進行が著しい。未婚化が進んでいる要因は何であろうか。未婚化の現状を把握し、未婚化が進行する要因について考察することにした。第一章では、未婚者の結婚意欲にほとんど変化がないにもかかわらず、未婚化が進行していることがわかった。その要因について考察するために、さまざまな角度から結婚意欲のある未婚者の結婚に対する価値観や考え方を考察した。その結果、女性の結婚相手に求める理想の高まりと、男性の経済的状況が悪化していることが、未婚化の要因であるとの結論に至った。第二章ではそれらの要因について詳しく考察した。考察の結果、これらの未婚化の要因は、同時に経済格差を生む要因となっているという結論に至った。長引く不況で経済状況が不安定になり、女性では結婚相手に求める水準が上昇し、一方男性では非正規雇用者が増大した。そのため、経済力があり女性の理想を満たす一部の男性に結婚の機会が集中し、経済的に不安定な男性には恋愛の機会までも少なくなった。一方女性でも、非正規雇用者より正規雇用者の方が結婚に至る可能性が高く、経済格差が広がる、という結果をもたらしている。男女とも昔ながらの結婚観からの脱却と、協働による新たなパートナー関係の構築が必要だ。 |