内容 |
近年、情報社会は大きく変化している。20年ほど前までは情報を得るメディアと言えば新聞、テレビ、ラジオ程度だったが、近年ではネットや携帯電話、スマートフォンなどからも手軽に情報を得ることが可能となっている。だがそれと同時に、情報が溢れかえったことで事実無根な情報も人々に簡単に行き渡るようになった。特にネットなどの比較的新しいメディアでは、新聞やテレビなど既存のメディアに比べてそういった無根拠な情報の蔓延が顕著である。
本論文ではそういった情報社会を生きる私たちにとってのよりよい情報入手手段の一つとして、「ネットと既存メディアの共生」という可能性に着目した。既存のメディアの特性、現状の把握、それに対してネットという新たなメディアが行うジャーナリズム活動にはどのような特性があるのか。また、これら二つが共生することでどういった情報社会になっていくことが望めるのかを考察した。その結果、既存のジャーナリストは「調査報道」と「ニュースの価値判断」を提供、ネットで情報発信をするアマチュアジャーナリストは「取材のきっかけ」や「報道の見張り番の役割」を提供することで、双方の利点が融合した新たなメディアが成立する可能性があることがわかった。 |