学科	産業関係学科	ゼミ教員名	石田　光男	年度	2013年度
タイトル	女性の社会進出における課題とその対策

内容

本論文は、女性の社会進出の現状と課題を踏まえた上で、今後どのような変化が起こりうるか、あるいはどのような政策や施策によって促進しうるかについて検討を行うものである。現在の社会的な状況としては、安倍首相がアベノミクスの3本の矢（大胆な金融緩和、機動的な財政出動、民間投資を喚起する成長戦略）である成長戦略の中核として、女性の活躍を取り上げており、方向性としては女性の社会進出は促進される方向にあると言える。また、これまでにも様々な政策が打ち出されてきているが、本論文では、制度については子育てや就業環境に焦点を当てるとともに、女性の意識にも注目して日本の現状を整理する。日本における課題を見たうえで、次に国によって政策が異なっており、女性の社会進出が進んでいる国や、そうではない国を合わせ、他国の海外の制度の現状を整理する。そして、それらをヒントにして、今後日本が取りうる女性の社会進出の推進方策について検討したい。

講評

卒業論文は一人一人の言葉の正しい意味での自己紹介だと思う。「わたしはこういう人間です」「これ以上でもこれ以下でもありません、私という人間は」ということをどうしても表現することになってしまうのが言葉の本性だからである。言葉遣いの現在の到達点、それが各人の卒業論文である。 　そこからが君たちの出発である。 　いくつかのコメントをしたい。 　第一、参考文献からの引用は丁寧にということを強調した。私は正直な論文が好きだ。だから他者からの引用と自分自身の言葉とを仕分けする作業は正直な自分になる作業である。その結果、みすぼらしい自分の発見に行き着くことが多いとは言え、かすかな輝やきをたたえている自分もそこにはかならずいるはずだ。その輝きを火種にこの人生を歩むのだ。 　第二、実証的な研究であれ、文献研究であれ、自分を横に置いた論文はよくない。直ぐに反論があろう。実証研究であれば、事実に虚心に向かえば向かうほど自分などを出しようがないではないか、文献研究であれば文献の論旨を正しく追えば追うほど自分などを出しようがないではないかと。しかし、無限な事実の中からどんな事実が重要だと観るかに自分が現れるのだし、文献研究であればマル写しでない以上、自分の読み方が現れるのだ。その自分の現れ方、あるいは表し方が自分の個性であり、その説得力が自分の力量なのだ。そもそも自分を隠し続ける勉強などは面白くもないはずだ。勉強は打算でやるのではなくて面白いからやるのだ、ということをわかって卒業して欲しい。 　第三、研究（勉強）と社会での仕事の関係。研究（勉強）は卒業で終わり、4月からは仕事という別世界だという理解は浅はかである。仕事を始めてみて本当の勉強が始まったと先輩たちは言う。実は地続きなのだ。全く二つの世界が別物であれば、いいですか、大学での勉強は無用だということになる。その気配が濃厚に漂っているのが現代日本ではあるけれど。仕事には実践が伴うが、勉強には認識という脳細胞の活動はあっても実践が伴わないという区分が先の言明の根拠になっているが、認識と実践とはさほど機械的に区分できない。「こう考える」、だからこうしてみようというように地続きになっているのは自明ではないか。偽りのない自分の到達点としての卒業論文を直視して、そこから自らの研鑽を積み上げていって欲しい。

キーワード1	女性の社会進出
キーワード2	子育て
キーワード3	就業環境
キーワード4	女性の意識
キーワード5	支援策