学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 寺井 基博 | 年度 | 2013年度 |
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タイトル | 高等学校におけるキャリア教育はなぜ根付かないのか |
内容 | 教育実習にいった際、高校1年生の生徒から「同志社大学に入れば、就職はなんとかなりますよね?」と何気なく言われたことに衝撃を受けた。高校生の高等教育機関に進学する際の目的意識の希薄さが深刻化している背景には、キャリア教育に問題があるからではないかと思い、現行のキャリア教育について考察した。キャリア教育が高校生に根付いていない原因として、その内容に日本の特異な就職活動や人事制度が考慮されていないことが挙げられ、その認識の差によって、「根付かないキャリア教育」が出来上がってしまった。また、キャリア教育が目指す人物像と企業の求める人物像にミスマッチが生じていることがわかり、学生自身が考える社会人観と企業の求めるものとの大きなギャップが存在しているという現状がある。今後のキャリア教育は、そのギャップを解消していくことが課題となるのではないだろうか。 |
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講評 | 提出された論文のタイトルは、「日本における『成果主義』の再考察」「ブラック企業の定義とその実態-労働者にとっての良き企業とは」「心理的契約から見る労働契約」「サラリーマンが抱える問題」「高等学校におけるキャリア教育はなぜ根づかないのか」「日本における外国人労働者の現状と課題」等々。関心のある内容なら全力で取り組むことができるのではないかと考えてテーマは自由としたが、概ね労働領域のものであった。 事前の指導として、独自の見解や解決策を書く必要はなく、自分が選んだテーマについて考え抜いたことを書くように勧めた。自分の考えを書くといっても、まずは先行研究を読んで、議論の枠組みや主要な論点を把握しなければならない。また、論文の作法として、他者と自己との見解を峻別しなければならない。ここで多くの学生が戸惑うのは、先行研究の中ですでに殆どすべてのことが書かれてしまっているので、この上「自分の考え」として何を書けばよいのかということだ。 答えは明瞭である。先行研究の記述をどのように理解し評価したかを書けばよい。この作業そこが分析であり、その結果が「読み手の考え」に他ならない。文献研究が単なるコピー&ペーストとならない所以である。 また、社会問題をテーマとした論文では解決策や提案を書かなければならないと思ってしまいがちだが、決してそうではない。とくに雇用領域における問題(長時間労働や正規・非正規雇用の格差など)は、「第一線の実務家の努力をもってしてもなお解決できていない」ということであり、それを分かることが何よりも大切である。卒業論文の執筆を通して上記のことに気づいたとすれば、それは大きな収穫である。 提出された論文は、思索的なもの、地道な努力が光るもの、苦悶の跡が窺われるものなど多彩であったが、いずれもそこには「現在の自分」が現れている。確かに、考察が不十分なところや論理展開がやや強引なところなど荒削りな面はある。しかし、筆者の思いが切々と綴られた部分は、自ずと読む者を惹きつける。それは自分自身との対話の深さによるものだろう。卒業論文の自分を起点として、社会人として新たなスタートを切ってもらいたい。 |
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キーワード1 | 進学目的意識の希薄化 |
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キーワード2 | 日本の労働慣行 |
キーワード3 | 社会人基礎力 |
キーワード4 | |
キーワード5 |