学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 寺井 基博 | 年度 | 2013年度 |
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タイトル | フリーターに対する世間のイメージと現状 |
内容 | 私は自身のアルバイト経験から、フリーターが正社員よりも生活が充実しているように見えた。そこにフリーターに対する世間のイメージと現状のギャップを感じ、そのギャップについて考えたいと考え、この論文を作成した。フリーターの平均労働時間は39.0時間で、平均年収は140.4万円と著しく低いため、自立した生活は難しい。しかしフリーターは、時間的にゆとりがある、仕事上の責任が軽いなどのメリットも多く、さらに仕事に対しては正社員以上に満足していることもわかった。また、フリーターから正社員への転職は難しく、転職に成功した人は男性で58.8%、女性で53.6%であり、年々その割合は低下している。以上のようにフリーターの現状を知り、フリーターとして働くメリットも多いことから、やはりフリーターに対する世間のイメージと現状にはギャップがあると結論付けた。また、フリーターの給与水準を上げることや、フリーターから正社員への転換促進の必要性を感じた。しかしこの実現には膨大な政策的コストがかかるため、不可能に近く、この問題の解決に関しては今後の研究課題としたい。 |
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講評 | 提出された論文のタイトルは、「日本における『成果主義』の再考察」「ブラック企業の定義とその実態-労働者にとっての良き企業とは」「心理的契約から見る労働契約」「サラリーマンが抱える問題」「高等学校におけるキャリア教育はなぜ根づかないのか」「日本における外国人労働者の現状と課題」等々。関心のある内容なら全力で取り組むことができるのではないかと考えてテーマは自由としたが、概ね労働領域のものであった。 事前の指導として、独自の見解や解決策を書く必要はなく、自分が選んだテーマについて考え抜いたことを書くように勧めた。自分の考えを書くといっても、まずは先行研究を読んで、議論の枠組みや主要な論点を把握しなければならない。また、論文の作法として、他者と自己との見解を峻別しなければならない。ここで多くの学生が戸惑うのは、先行研究の中ですでに殆どすべてのことが書かれてしまっているので、この上「自分の考え」として何を書けばよいのかということだ。 答えは明瞭である。先行研究の記述をどのように理解し評価したかを書けばよい。この作業そこが分析であり、その結果が「読み手の考え」に他ならない。文献研究が単なるコピー&ペーストとならない所以である。 また、社会問題をテーマとした論文では解決策や提案を書かなければならないと思ってしまいがちだが、決してそうではない。とくに雇用領域における問題(長時間労働や正規・非正規雇用の格差など)は、「第一線の実務家の努力をもってしてもなお解決できていない」ということであり、それを分かることが何よりも大切である。卒業論文の執筆を通して上記のことに気づいたとすれば、それは大きな収穫である。 提出された論文は、思索的なもの、地道な努力が光るもの、苦悶の跡が窺われるものなど多彩であったが、いずれもそこには「現在の自分」が現れている。確かに、考察が不十分なところや論理展開がやや強引なところなど荒削りな面はある。しかし、筆者の思いが切々と綴られた部分は、自ずと読む者を惹きつける。それは自分自身との対話の深さによるものだろう。卒業論文の自分を起点として、社会人として新たなスタートを切ってもらいたい。 |
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キーワード1 | フリーター |
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キーワード2 | 非正規労働者 |
キーワード3 | パート |
キーワード4 | アルバイト |
キーワード5 |