学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 寺井 基博 | 年度 | 2013年度 |
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タイトル | 産業関係学科での学びから見た『アメリカの賃金・評価システム』 |
内容 | 大学で学んだ4年間の集大成として、最も力を入れて勉学に取り組んだ「賃金」という大きなテーマの中でも、特にアメリカの賃金について取り上げて議論をしたい。ここでは、笹島芳雄(2001)『アメリカの賃金・評価システム』を取り上げて、主に石田光男、樋口純平(2009)『人事制度の日米比較』、石田光男、篠原健一(2010)『GMの経験』を用い、これまで産業関係学を学んだことをもとに評価をする。アメリカで一般的な賃金は職務給であり、担当する職務について職務評価を通じて職務価値を明らかにし、これに応じて賃金を決めるというものである。また、これに加えて人事評価をすることによって、労働者の昇進・昇格や能力開発など、様々な面で利用する企業が多い。また、ブロードバンディングやコンピテンシーなど、今日の賃金制度において重要な考え方も存在する。本書ではこういったアメリカの賃金の全体像が示されているが、内容が不十分な点もあり、あるいは内容に付随して私なりに考えたことがあるので、これらを紹介している。 |
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講評 | 提出された論文のタイトルは、「日本における『成果主義』の再考察」「ブラック企業の定義とその実態-労働者にとっての良き企業とは」「心理的契約から見る労働契約」「サラリーマンが抱える問題」「高等学校におけるキャリア教育はなぜ根づかないのか」「日本における外国人労働者の現状と課題」等々。関心のある内容なら全力で取り組むことができるのではないかと考えてテーマは自由としたが、概ね労働領域のものであった。 事前の指導として、独自の見解や解決策を書く必要はなく、自分が選んだテーマについて考え抜いたことを書くように勧めた。自分の考えを書くといっても、まずは先行研究を読んで、議論の枠組みや主要な論点を把握しなければならない。また、論文の作法として、他者と自己との見解を峻別しなければならない。ここで多くの学生が戸惑うのは、先行研究の中ですでに殆どすべてのことが書かれてしまっているので、この上「自分の考え」として何を書けばよいのかということだ。 答えは明瞭である。先行研究の記述をどのように理解し評価したかを書けばよい。この作業そこが分析であり、その結果が「読み手の考え」に他ならない。文献研究が単なるコピー&ペーストとならない所以である。 また、社会問題をテーマとした論文では解決策や提案を書かなければならないと思ってしまいがちだが、決してそうではない。とくに雇用領域における問題(長時間労働や正規・非正規雇用の格差など)は、「第一線の実務家の努力をもってしてもなお解決できていない」ということであり、それを分かることが何よりも大切である。卒業論文の執筆を通して上記のことに気づいたとすれば、それは大きな収穫である。 提出された論文は、思索的なもの、地道な努力が光るもの、苦悶の跡が窺われるものなど多彩であったが、いずれもそこには「現在の自分」が現れている。確かに、考察が不十分なところや論理展開がやや強引なところなど荒削りな面はある。しかし、筆者の思いが切々と綴られた部分は、自ずと読む者を惹きつける。それは自分自身との対話の深さによるものだろう。卒業論文の自分を起点として、社会人として新たなスタートを切ってもらいたい。 |
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キーワード1 | 職務給 |
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キーワード2 | 職能給 |
キーワード3 | 人事評価 |
キーワード4 | ブロードバンディング |
キーワード5 | コンピテンシ― |