卒業論文詳細

学科産業関係学科 ゼミ教員名阿形 健司 年度2014年度
タイトルさらなる「女性の活用」―組織の3次元モデルに着目して―
内容  女性活躍推進のため、政府・企業が女性管理職登用を掲げているのに対し、女性たちの「管理職を目指す」といった昇進意欲は高いとは言えない。しかし、それは決して、働くことへの意欲までも低いというわけではない。特に総合職で働く女性たちは「仕事へのやりがい」を求めている。そこで、女性たちにとって何が「仕事のやりがい」であるのか、どのようにして「やりがい」を高められるのかという問いを設定し議論した。その結果、女性たちは長期勤続で培われた「仕事・組織への精通度」を強みとし、企業による制度の構築ではなく、職場の環境、特に上司との緊密なコミュニケーションにより、「仕事のやりがい」を高めていることが明らかにできた。そこから、「女性の活用」のため、これからのキャリア形成のあり方について考えたところ、昇進やジョブローテーションの「階層上昇」「職能移動」といった次元ではなく、シャイン(1991)の「組織の3次元モデル」で説明された、組織に精通していく「部内者化」という次元が鍵になると導き出した。
講評  女性の労働力活用がなぜ進まないのかという問題意識に基づき、企業や政府の発想と女性労働者自身の意識との間のギャップに着目して女性活用を促進する道筋を明らかにした論文。多様性に富んだ資料と理論モデルをうまく接合し、説得的に議論を進めた好論文である。
キーワード1 女性の活用
キーワード2 仕事のやりがい
キーワード3 組織の3次元モデル
キーワード4 部内者化
キーワード5