学科 | 教育文化学科 | ゼミ教員名 | 越水 雄二 | 年度 | 2020年度 |
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タイトル | デュルケム的観点で見る社会における道徳の位置 |
内容 | 本論は、フランスの社会学者であるエミール・デュルケムの著書『道徳教育論』における視点を用いて、道徳が一体どのようなものであるかを考察する目的で作成された論文である。 前掲書における「道徳が社会の要求にこたえている」という観点の合理性を、明治以降の日本社会の道徳教育の史的変遷を読み解くことで証明し、それらを踏まえたうえで現代社会での道徳の捉え方を提示する。 第一章では、デュルケムの『道徳教育論』のなかの「道徳性の三要素」の考察、第二章では、明治以降の日本社会における国家主体的な道徳教育の史的変遷を取り扱う。第三章では、これまでの観点を踏まえ、グローバリゼーションと個人主義化の側面から現代社会での道徳の捉え方について考察する。 |
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講評 | 「教育文化学演習Ⅲ・Ⅳ-4」すなわち〈西洋教育文化ゼミ〉では2020年度に12名が卒業論文に取り組み、全員が提出できたことを私は幸いに思います。例年、テーマの設定は各人が全く自由に行いますから、今年も12論文のテーマは多様でした。それらの中に共通する今年度の傾向を敢えて挙げるならば、一つはスポーツ、もう一つは音楽が、文化と人間形成に及ぼす影響に関するテーマを考察する論文が合計5編を数えたことでしょう。 自分の興味関心や経験から選んで決めたテーマで、まず文献や史資料を探し、次にそれらの内容を理解し、分析することに努め、さらに自分の視点で検討して、調査と考察を進めていく。そして、調査と考察の内容を、論文の構成を工夫しながら分かりやすい文章に述べて、まとめていく。これらの過程で、研究内容をゼミで報告し、仲間からの感想や質問や意見を通じて、自分が理解し考察している内容を確認していく。 このようにして卒業論文を書き上げた経験は、大学卒業後に論文を書く機会ではなくても、仕事や生活の中での様々な課題に取り組む際に応用して活かされていくはずです。また、自分の研究テーマに関する知識はもちろんですが、ゼミの他のメンバーの卒論報告から知った多くの事柄やそれらから自分も考えさせられた内容も、皆さんの知的な財産として生涯学習に役立っていくことを期待しています。卒業論文への各自の努力とゼミでの取り組み、大変お疲れ様でした。 |
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キーワード1 | 道徳 |
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キーワード2 | 道徳性の三要素 |
キーワード3 | 個人主義 |
キーワード4 | 修身科 |
キーワード5 | グローバリゼーション |