学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 齋藤 毅 | 年度 | 2014年度 |
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タイトル | 合理的な速度規制を |
内容 | この大学生活の四年間でレンタカー回送のアルバイトをしてきた。またプライベートでも頻繁に車を運転し、日本における制限速度が先進国各国に比べ低いことに問題意識を持った。何故そのような問題意識を持ったかというと、日本の道路では定められている制限速度と実際に大多数のドライバーが選択する速度に大きな乖離があり、一般道、高速道路共に制限速度よりも速い速度で車が流れていることに疑問を持ったからである。そして、高速道路を始め、日本の道路インフラ整備や規制には大きな疑問が生じる。現在日本の自動車保有台数は今や80000000台を超えている。これは昭和41年の8000000台から10倍である。1.7人に1人が自動車を所有している状況で、これらの問題は多くの人が考えなければならないことである。 この論文で明らかにしたいことは、日本の速度制限がいかに不合理であるかということであり、制限速度を引き上げるべき理由、その速度制限が引き上げられることによってどのような社会的メリットが生じるかを検証していく。 「我が国における道路の速度規制は、道路幾何構造(道路の線形、形)、交通事故の発生状況、道路や沿道及び交通の状況等を考慮して運用されている。しかしながら、我が国の速度規制は、諸外国と比して低く抑えられている傾向にあると言われている。このような経緯もあり、既存の道路のサービス水準を向上させる観点から、行政側に対し、しばしば速度規制緩和が求められる場合がある。例えば、栃木県が管轄する一般国道119号(宇都宮北道路、L=5.4・)が、昨秋より、60・/hから80・/hへと規制速度が緩和されている。本件緩和措置は、速度を引き上げても安全性が確保できると判断され、導入されるに至ったものである。なお、北海道においても、このような規制緩和を求める議論は従来から存在している。」(宗広一徳 秋元清寿 浅野基樹(2006年2月)「諸外国における速度規制に関する事例」引用 ) |
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講評 | 今年度の春学期に4年生ゼミの担当である樋口先生が体調を崩されたため、秋学期より代役を務めさせていただくことになりました。ゼミの担当変更に伴い、特に論文指導で「求められるもの」も多少変わって、動揺した学生が多かったように感じます。今回の論文指導では、これまで樋口先生が指導されてきた方針をできるだけ尊重しながら、自分の経験に基づいて言うべきことは言うというスタンスで指導にあたりました。 卒業論文の指導にあたって、具体的にどのようなことを心がけたのか。 4年生が卒業論文を提出した後、一部の学生に卒業論文を書いてみた感想についていくつか質問しました。ある勉強熱心な学生から、卒業論文を書くときにどこで苦労したのか、あるいは、苦労していたのかが正直に伝わってくる答えが返ってきました。「卒業論文では過去に書いたことがない字数を求められるので、最初は字数が書けるか心配だったのですが、書き始めると字数量が多く書くことが難しいのではなく、(むしろ)何をこの卒論で述べたいのか、(どのようにして)一貫性と論理性を持って話を進めるか、といったことが難しいことであると感じました。」この学生の答えには、論文を書くときに欠かすことのできないエッセンスが簡潔に表現されています。1つは、何故書くのか、何を明らかにしたいのか(=問題意識)を、論文を書く当人がしっかり自覚する必要があるということ。もう1つは、その上で、勉強の結果、知り得た情報を他者に興味深く伝えるにはどんな論理展開の仕方(例えば目次、章別構成)が妥当であるかを考える必要があるということです。 しかし、言うはやすく行いは難しで、ある学生は特に問題意識について、次のような感想を漏らしていました。卒業論文を書き進めるうちに「前半持っていた興味と後半持っていた興味が異なってしまった」、「当初企てた計画にも問題があったような気もします」と。この学生は論理展開以前の、問題の設定自体に無理があることを多少感じながらも、時間の関係でとりあえず必要な文字数をクリアして論文を提出せざるを得ませんでした。「どうしたらよいか」という政策的指南を書くことに囚われてしまって、その前提になる「当事者がどこで苦しんでいるのか」とか、「どこで当事者は努力しているのか」という現状分析が疎かになってしまったことが、卒業論文を書くモチベーションが低下させる原因になっていたようです。 これら、学生達の感想は、決して学生達にとってだけの課題を示したものではありません。そこには教員である私自身が学生達に授業で伝えようとして伝えきれなかったこと(課題)も反映されています。その意味では学生達にとって課題が多いということは、同時に私自身も反省するところが多いということでもあります。卒業論文の取り組み方は各人各様であり、その取り組み方によって学んだことや課題も様々だと思います。各人の学びや課題を大切にして、一歩一歩前進していって欲しいと思います。 |
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キーワード1 | 全国一律の速度規制 |
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キーワード2 | メリハリのある速度規制 |
キーワード3 | 85パーセンタイル速度 |
キーワード4 | 合理的な交通 |
キーワード5 | 速度差の危険 |