学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 寺井 基博 | 年度 | 2015年度 |
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タイトル | 労使関係論の特性と石田氏の凄みを考察 |
内容 | 労使関係論が社会においてどんな役割を果たしているのか全く分からなかったと同時に世の中でどのような学問なのか理解されていないと感じる。本論文では労働の実態をわかるにおいて、労使関係論の領域で行われる調査がどのような点に優れているのかと同時に、労使関係論の最先端である石田光男氏の事例調査を挙げることで凄みを検証する。検証の結果、労使関係論は労働のことをありのままに伝えようという思いは誰よりも強い学問であり客観性や明白性に優れていると他学問と比較して感じた。加えて、石田氏が見てきた経営視点を踏まえた事例調査が小池氏と比較して労働の実態をリアル捉えられた優れた調査とわかった。しかし、石田氏を作ったのはひとりではない。先人たちの調査への姿勢や過去のわかったことがなくてはここまで到達できなかった。つまり、今まで、過去の努力の結晶が石田氏の存在でありここから受け継いでいく必要が私たちにはあるという結論に至った。 |
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講評 | 卒業論文の執筆にあたっての指導ポイントはつぎの2点である。 第1は主要な先行文献を選んで精読するである。オリジナルな見解にこだわって書こうとすると何も書けなくなる。それよりも文献を丹念に読むことで、問題関心から結論に至るまでの筆者の思考の道筋を辿ってもらいたい。断片的な知識の習得にとどまらず、「分かる」という認識水準を体感し、分かるためにはどのように考えなければならないかを経験してもらいたかった。その意味で文献の選択が重要になる。 第2は、先行研究の諸見解を自分が組み立てた枠組に沿って論文の形式で書くことである。この点については主として表題設定と出典の明記に重点を置いた。論旨が曖昧になって書き進められなくなる事態を回避するために、テーマ設定時にできるだけ論点を絞った表題を考えるように助言した。また、自らの考えの大部分が先行研究の成果であることを自覚し、これらの先行研究に敬意を払う意味でも出典の明記は不可欠である。この点に気を付けて文献を整理すれば基本的に論文の形式になる。 提出された12本の論文は上記の点について概ね一定の水準を上回っている。論理展開がやや強引な点など荒削りな面はあるものの、地道な努力が実を結んだ論文や先行文献の整理を踏まえて筆者の思いが切々と綴られた論文が複数見られた。論文執筆は文献を介した自分自身との対話に他ならない。論文の質はその対話の深さに比例しているといえるだろう。卒業論文執筆での精神作業が人生の一助となること願っている。 |
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キーワード1 | 労使関係論 |
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キーワード2 | 石田光男氏 |
キーワード3 | 経営視点 |
キーワード4 | 小池和男氏 |
キーワード5 | キャリア |