学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 寺井 基博 | 年度 | 2015年度 |
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タイトル | 日本でキャリアの一般化が難しいのはなぜか―日米比較― |
内容 | 本論文は、日本でのキャリアの一般化について論じる。日本では、大卒から採用する新卒一括採用が一般的である。企業は、人材を新卒から確保し長期的な目線で、会社に必要となる人材に教育していくのだ。そのため、内部労働市場が構成され仕事に対して社内で人材を動かしている。ゆえに、欧米のように職務で人を雇い空いた仕事のポストに見合った能力を持っている人材を雇い入れることをしない。これが日本で外部労働市場が発展してこなかった大きな要因である。欧米のように、労働市場の流動性はないのである。ゆえに、転職市場は発展せずキャリアも一般的に広がってこなかったと考えられる。本論文では、改めて転職市場の現状を把握するとともに、日本におけるキャリアの一般化が難しい理由について調べた。はじめに、厚生労働省の調査から発表されている統計から日本の転職背景を把握し、日本と米国を比較することでキャリアを一般化することの難しさの理由を探っていく。探っていく中では、石田光男氏の『仕事の社会科学』に記述されている仕事論と賃金論の考え方を軸に考えをまとめたものである。そして、その考え方に対して渡辺深氏の『転職の社会学』の著書を読み比べ、キャリアに対しての考えを比較し考察していくものだ。 |
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講評 | 卒業論文の執筆にあたっての指導ポイントはつぎの2点である。 第1は主要な先行文献を選んで精読するである。オリジナルな見解にこだわって書こうとすると何も書けなくなる。それよりも文献を丹念に読むことで、問題関心から結論に至るまでの筆者の思考の道筋を辿ってもらいたい。断片的な知識の習得にとどまらず、「分かる」という認識水準を体感し、分かるためにはどのように考えなければならないかを経験してもらいたかった。その意味で文献の選択が重要になる。 第2は、先行研究の諸見解を自分が組み立てた枠組に沿って論文の形式で書くことである。この点については主として表題設定と出典の明記に重点を置いた。論旨が曖昧になって書き進められなくなる事態を回避するために、テーマ設定時にできるだけ論点を絞った表題を考えるように助言した。また、自らの考えの大部分が先行研究の成果であることを自覚し、これらの先行研究に敬意を払う意味でも出典の明記は不可欠である。この点に気を付けて文献を整理すれば基本的に論文の形式になる。 提出された12本の論文は上記の点について概ね一定の水準を上回っている。論理展開がやや強引な点など荒削りな面はあるものの、地道な努力が実を結んだ論文や先行文献の整理を踏まえて筆者の思いが切々と綴られた論文が複数見られた。論文執筆は文献を介した自分自身との対話に他ならない。論文の質はその対話の深さに比例しているといえるだろう。卒業論文執筆での精神作業が人生の一助となること願っている。 |
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キーワード1 | OJT |
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キーワード2 | Off-JT |
キーワード3 | 賃金論 |
キーワード4 | 仕事論 |
キーワード5 |