学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 寺井 基博 | 年度 | 2015年度 |
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タイトル | グランドスタッフの雇用の実情と改善点 |
内容 | ANAが2014年度から客室乗務員の採用を契約社員から正社員に変更した。著者は、2010年から3年半グランドスタッフとして勤務したが、契約社員での採用であった。また仕事に対して低賃金であると考え雇用状態に疑問を感じた。航空業界は女性が主力として働く代表的な仕事であるにも関わらず、離職率が高く、長く働き続けることが難しい。社会全体としても正規雇用の移行や働き方の多様化も多く言われている。その中で、自らの経験とヒアリングからグランドスタッフ職の雇用状態の実情と契約社員正社員の違い、改善点などを考えた。 グランドスタッフは勤務体系から家庭との両立ができず、長期就業が難しい。また就職希望者が多く、統一化された仕事が多いことから、採用→退職→採用→退職とループになっている。企業側から見ても採用コストがかかるだけでなく、競争の激しい業界において独自のサービスは提供できない。ヒアリングから、「正社員」採用であることは社員にとってそれほど重要視されていなかった。しかし将来への安定感、モチベーション増加から正社員化は推進したい思う。また重要なのは、出産や結婚に合わせた働き方ができる柔軟な制度や環境を作ること、また社員の生活面を考えた具体的な保障の増加であると考えられた。女性主力の職業として、長期就業や将来を考えた安心して働ける職場作りを応援したい。 |
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講評 | 卒業論文の執筆にあたっての指導ポイントはつぎの2点である。 第1は主要な先行文献を選んで精読するである。オリジナルな見解にこだわって書こうとすると何も書けなくなる。それよりも文献を丹念に読むことで、問題関心から結論に至るまでの筆者の思考の道筋を辿ってもらいたい。断片的な知識の習得にとどまらず、「分かる」という認識水準を体感し、分かるためにはどのように考えなければならないかを経験してもらいたかった。その意味で文献の選択が重要になる。 第2は、先行研究の諸見解を自分が組み立てた枠組に沿って論文の形式で書くことである。この点については主として表題設定と出典の明記に重点を置いた。論旨が曖昧になって書き進められなくなる事態を回避するために、テーマ設定時にできるだけ論点を絞った表題を考えるように助言した。また、自らの考えの大部分が先行研究の成果であることを自覚し、これらの先行研究に敬意を払う意味でも出典の明記は不可欠である。この点に気を付けて文献を整理すれば基本的に論文の形式になる。 提出された12本の論文は上記の点について概ね一定の水準を上回っている。論理展開がやや強引な点など荒削りな面はあるものの、地道な努力が実を結んだ論文や先行文献の整理を踏まえて筆者の思いが切々と綴られた論文が複数見られた。論文執筆は文献を介した自分自身との対話に他ならない。論文の質はその対話の深さに比例しているといえるだろう。卒業論文執筆での精神作業が人生の一助となること願っている。 |
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キーワード1 | 契約社員の正社員化 |
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キーワード2 | 航空業界 |
キーワード3 | グランドスタッフ |
キーワード4 | 正社員化 |
キーワード5 |