学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 冨田 安信 | 年度 | 2016年度 |
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タイトル | プロ野球における集客ビジネス |
内容 | 私はオリックス・バファローズのファンクラブ業務に実際に関わったことから、プロ野球がどのような集客ビジネスを行っているのか調べた。その結果、球場でのイベントやファンクラブのサービスの充実によって、観客動員数が増えてきていることが分かった。また、海外のプロ野球の集客ビジネスにおいては、スタジアムの新築や球場でのイベントの頻度、野球中継が観客動員数に影響しており、日本のプロ野球の集客ビジネスと比較してみると、観客動員数が増えている要因が少し異なっていることが分かった。そして、一般企業の集客ビジネスでは、SNSを用いて情報やサービスの提供をしているのだが、SNSの使い方もプロ野球の集客ビジネスと少し異なっていることが分かった。このように、集客ビジネスの内容はそれぞれ異なっているのだが、ファンや顧客に対して、サービスやイベントを宣伝し、その良さを多くの人にどれだけ上手く伝えることができるかが観客動員数に大きく関わってくることは集客ビジネス全体にいえることであるだろう。 |
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講評 | 毎年、ゼミ生の卒業論文のタイトルから、今の雇用問題が読み取れる。今年度のキーワードは、女性労働、非正規雇用・格差社会、高付加価値人材である。そして、さまざまな雇用問題を解決する条件として、雇用の流動化が必要であるという主張が目立ったのが今年度の特徴である。 女性の活躍を取り上げた「男女平等の職場へ」は、女性が管理職として活躍するためには男女の意識改革が必要であることを、そして、「女性の社会進出」は、仕事と育児の両立のためには多様な働き方を認めることが必要であることを訴えた。また、「長時間労働を是正するためには」は、男性の育児参加が、長時間労働の是正、女性の社会進出、そして、出生率上昇の決め手であると論じている。また、介護と仕事の両立もこれから深刻化してくると思われる。「介護離職とはなにか」は、まず、企業が従業員に介護と仕事の両立についての情報を提供し、理解を深めることが重要であると言う。長時間労働の是正も毎年取り上げられるテーマであり、「働き過ぎの日本人」では、その解決策として管理職が部下に満点ではなく及第点の成果を求めることを提案している。 正規雇用者と非正規雇用者の格差是正を取り上げた「日本の非正規労働者の現状と問題点」と「日本における非正規雇用改革に向けて」は、ともに非正規雇用者に職業訓練の機会を提供することが格差是正につながることを指摘している。貧困や格差社会も大きな雇用問題である。「進む貧困化」は、生活保護の捕捉率が低いことを考えると、年金や失業手当など他の社会保障制度を充実させることが必要であるとし、「進学格差の是正による子ども貧困の世代間連鎖について」は、低所得の家庭の子どもも大学に進学できるようにするためには、卒業後の収入によって返済額が決まる奨学金制度が有効であると言う。発展途上国の貧困を取り上げたのが「児童労働問題の実態」であり、ラべリング活動などその撲滅に向けた取り組みを紹介している。貧困と幸福度は関連しそうであるが、「日本における労働問題と幸福感について」は、デンマークを例に社会保障制度が充実することで国民が安心感をもち幸福度が高まることを見出した。 企業の雇用管理制度をテーマにした卒業論文は、どこかで高付加価値を生み出す人材の議論とつながっている。「日本の外国人雇用の実態」は、外国人の高度人材を積極的に受け入れることの重要性を、「ホワイトカラーエグゼンプションと雇用流動化」は、高付加価値を生み出す専門職の重要性を指摘している。また、「変わり者のマネジメント」は、ダイバーシティにつながる異質な人材が活躍する職場づくりを、「仕事で磨く人格と組織論」は、会社を正しい方向に導いていく経営者の心がまえを議論している。企業の雇用管理というより経営戦略にかかわるテーマであるが、「プロ野球における集客ビジネス」は、どのようにして顧客を獲得して定着させるか、そして、「生命保険会社の株式会社化」も、組織形態とどうするかという、どの企業にもかかわる重要なテーマを取り上げている。 全体の講評としては、女性労働や非正規雇用など、すでにかなり議論されているテーマは、自分なりの視点がないと印象の薄い論文になってしまう。そして、筋が通った議論ができているかどうかが論文を書く上で重要であることを再認識してもらいたい。 |
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