学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 冨田 安信 | 年度 | 2016年度 |
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タイトル | 日本の外国人雇用の実態 |
内容 | 現在少子高齢化によりあらゆる労働市場の分野で人手不足が起こり、外国人労働者の受け入れを要する仕事が増えてきている。しかし外国人労働者を受け入れることで、国内の就労機会が減少することや、失業問題に発展すること等様々な問題がある。日本政府は単純労働者の受け入れに躊躇している一方で、技術や知識を持つ高度人材の受け入れを目指し様々な政策を行っている。外国人労働者を受け入れることは人手不足を解消できるだけでなく、グローバル展開として日本と他の国を労働市場でつなげることができる。第2章では、看護・介護分野の労働者について取り上げ、現在の現場の劣悪な労働条件と外国人労働者を受け入れることで起こる安全な治療水準の低下などの問題に触れている。また高度人材の卵である外国人労留学生がより日本で就職できるように、在留期間を延ばしたり、留学生向けのインターンシップを行ったりしている。3章では技能実習制度について取り上げている。この制度の本来の目的は母国の技能移転だが、人手不足のために受け入れている企業も少なくなく、悪条件の現場の実態も問題視されている。この技能実習制度の在留資格や在留期間を見直していくことが、優秀な高度人材を育成していく重大なポイントである。 |
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講評 | 毎年、ゼミ生の卒業論文のタイトルから、今の雇用問題が読み取れる。今年度のキーワードは、女性労働、非正規雇用・格差社会、高付加価値人材である。そして、さまざまな雇用問題を解決する条件として、雇用の流動化が必要であるという主張が目立ったのが今年度の特徴である。 女性の活躍を取り上げた「男女平等の職場へ」は、女性が管理職として活躍するためには男女の意識改革が必要であることを、そして、「女性の社会進出」は、仕事と育児の両立のためには多様な働き方を認めることが必要であることを訴えた。また、「長時間労働を是正するためには」は、男性の育児参加が、長時間労働の是正、女性の社会進出、そして、出生率上昇の決め手であると論じている。また、介護と仕事の両立もこれから深刻化してくると思われる。「介護離職とはなにか」は、まず、企業が従業員に介護と仕事の両立についての情報を提供し、理解を深めることが重要であると言う。長時間労働の是正も毎年取り上げられるテーマであり、「働き過ぎの日本人」では、その解決策として管理職が部下に満点ではなく及第点の成果を求めることを提案している。 正規雇用者と非正規雇用者の格差是正を取り上げた「日本の非正規労働者の現状と問題点」と「日本における非正規雇用改革に向けて」は、ともに非正規雇用者に職業訓練の機会を提供することが格差是正につながることを指摘している。貧困や格差社会も大きな雇用問題である。「進む貧困化」は、生活保護の捕捉率が低いことを考えると、年金や失業手当など他の社会保障制度を充実させることが必要であるとし、「進学格差の是正による子ども貧困の世代間連鎖について」は、低所得の家庭の子どもも大学に進学できるようにするためには、卒業後の収入によって返済額が決まる奨学金制度が有効であると言う。発展途上国の貧困を取り上げたのが「児童労働問題の実態」であり、ラべリング活動などその撲滅に向けた取り組みを紹介している。貧困と幸福度は関連しそうであるが、「日本における労働問題と幸福感について」は、デンマークを例に社会保障制度が充実することで国民が安心感をもち幸福度が高まることを見出した。 企業の雇用管理制度をテーマにした卒業論文は、どこかで高付加価値を生み出す人材の議論とつながっている。「日本の外国人雇用の実態」は、外国人の高度人材を積極的に受け入れることの重要性を、「ホワイトカラーエグゼンプションと雇用流動化」は、高付加価値を生み出す専門職の重要性を指摘している。また、「変わり者のマネジメント」は、ダイバーシティにつながる異質な人材が活躍する職場づくりを、「仕事で磨く人格と組織論」は、会社を正しい方向に導いていく経営者の心がまえを議論している。企業の雇用管理というより経営戦略にかかわるテーマであるが、「プロ野球における集客ビジネス」は、どのようにして顧客を獲得して定着させるか、そして、「生命保険会社の株式会社化」も、組織形態とどうするかという、どの企業にもかかわる重要なテーマを取り上げている。 全体の講評としては、女性労働や非正規雇用など、すでにかなり議論されているテーマは、自分なりの視点がないと印象の薄い論文になってしまう。そして、筋が通った議論ができているかどうかが論文を書く上で重要であることを再認識してもらいたい。 |
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キーワード1 | 外国人労働者 |
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キーワード2 | 少子高齢化 |
キーワード3 | 人手不足 |
キーワード4 | 高度人材 |
キーワード5 | 技能実習制度 |