学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 阿形 健司 | 年度 | 2016年度 |
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タイトル | 留学生のキャリア観 -京都市内の留学生を対象に- |
内容 | 近年、外国人留学生が増加している現状を目のあたりにして、筆者は日本がどのように過去から留学生を受け入れてきたのかについて興味を持ち、日本の留学生政策について現在から過去へ遡って検討した。そこから、日本の留学生政策の意図が変化していることが分かった。現在では、優秀な留学生には日本に残ってもらい活躍してもらうことにより、①少子高齢化社会に伴う労働人口不足の問題を解消すること、②日本企業の国際競争の激化に対応するため企業の戦力に加わってもらうこと、という2つの意図があることがわかった。だが現状では企業の外国人留学生の採用は進んでいなかった。そこで筆者は研究課題として、一点目に、なぜ企業は外国人留学生を採用しないのか、二点目に、日本に来る留学生は日本で働くことをどう考えているのかという問いを設定し、聞き取り調査を行った。その結果、第一に、企業では外国人留学生の外国人留学生の受け入れ体制が整っていないということや外国人人材をうまく活用できる準備が不十分ということがわかった。第二に、留学生は日本で働くことを希望しているが、日本で働くことをキャリアの一段階と考えており、いずれは母国に帰国する予定であることがわかった。 |
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講評 | 2016年度の卒業論文について特筆すべきことは、一次資料を利用した人が多かったことと、採用した分析手法が多様であったことである。たいていの人が文献情報のみに基づいて卒論を書こうとするのに対して、ゼミ生16人のうち9人が何らかの形で聞き取り調査を行ったのは、おそらくゼミ始まって以来の実施率である。およそ16年間の学校教育の集大成として卒業論文という作品があるとすれば、著者固有の独自資料を手がかりに作品製作に携わったことは大いに評価できる。また、昨年度につづき、既存統計資料の二次分析に果敢に挑戦した人が現れたことも大いに評価したい。 とはいえ、一次資料を使って書いた卒論が全て論文として満足のいく水準に達しているかというと必ずしもそうとは言いきれない。長い時間をかけて質問項目を吟味し、念入りに調査設計を行った上で実施した調査と、準備不足のまま見切り発車で実施した調査とでは自ずと結果の品質が異なってこよう。せっかく調査をするのだから、事前の準備をしっかりと行い、悔いのない形で調査を実施できればよかったのにと、少し残念に思うところがある。 16人のうち7人は、文献情報に基づいて卒論を書いた。歴史研究、国際比較、将来予測、政策提言などテーマは多岐にわたっている。こちらも、丹念に証拠を集めて説得的に持論を展開したものから、主観的な願望が先行して根拠があいまいなまま自説を展開したものまで水準はさまざまである。結局のところ、一次資料を使おうが、文献二次資料を使おうが、どれだけ卒論執筆に真摯に向き合ったかということが作品の出来映えに表れている。執筆者各自は、自分の胸に手を当てて大いに反省してほしい。 これから卒論を書こうとする下級生にひとつアドバイスをするなら、学校教育の集大成たる卒論の執筆がうまくいくかどうかの半分ぐらいは、テーマ選択に依存していることを肝に銘じてほしいということだ。テーマ選択を誤るとどんなにがんばってもよい論文は書けない。それほどテーマ選択には時間をかける必要があるということである。もちろん、テーマを選ぶためには関連する先行研究を探索して吟味し、検討することが欠かせない。結局のところ、ちゃんと勉強すればよい論文が書けるけれども、勉強しないと満足のいく成果は得られないという、極めてありきたりな結論に至る。 |
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キーワード1 | 外国人留学生 |
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キーワード2 | 留学生政策 |
キーワード3 | キャリア観 |
キーワード4 | 日本企業 |
キーワード5 |