学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 阿形 健司 | 年度 | 2016年度 |
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タイトル | コミュニティ・ユニオンの定着率向上に向けた戦略と現状 |
内容 | 本論はコミュニティ・ユニオンの現状を踏まえた上で、コミュニティ・ユニオンの課題について検討することを目的とする。組合員が流動的であるという性格を持つコミュニティ・ユニオンが、いかに流動層を定着層に組織化(二次組織化)しているか、それに対する組合の戦略や困難について明らかにする。近年、平均ユニオン加入期間が長期化し、組合員の定着に成功しているAユニオンに聞き取り調査を行った。調査の結果、労働問題を抱える相談者と、それを受け入れる組合の双方が相談者に適した問題解決策が何かを選定すること、組合員にとって居心地のよい居場所を形成するだけではなく、その上で組合員同士の絆を深めること、この二つが定着率を引き上げる新たな戦略であることが明らかになった。 |
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講評 | 2016年度の卒業論文について特筆すべきことは、一次資料を利用した人が多かったことと、採用した分析手法が多様であったことである。たいていの人が文献情報のみに基づいて卒論を書こうとするのに対して、ゼミ生16人のうち9人が何らかの形で聞き取り調査を行ったのは、おそらくゼミ始まって以来の実施率である。およそ16年間の学校教育の集大成として卒業論文という作品があるとすれば、著者固有の独自資料を手がかりに作品製作に携わったことは大いに評価できる。また、昨年度につづき、既存統計資料の二次分析に果敢に挑戦した人が現れたことも大いに評価したい。 とはいえ、一次資料を使って書いた卒論が全て論文として満足のいく水準に達しているかというと必ずしもそうとは言いきれない。長い時間をかけて質問項目を吟味し、念入りに調査設計を行った上で実施した調査と、準備不足のまま見切り発車で実施した調査とでは自ずと結果の品質が異なってこよう。せっかく調査をするのだから、事前の準備をしっかりと行い、悔いのない形で調査を実施できればよかったのにと、少し残念に思うところがある。 16人のうち7人は、文献情報に基づいて卒論を書いた。歴史研究、国際比較、将来予測、政策提言などテーマは多岐にわたっている。こちらも、丹念に証拠を集めて説得的に持論を展開したものから、主観的な願望が先行して根拠があいまいなまま自説を展開したものまで水準はさまざまである。結局のところ、一次資料を使おうが、文献二次資料を使おうが、どれだけ卒論執筆に真摯に向き合ったかということが作品の出来映えに表れている。執筆者各自は、自分の胸に手を当てて大いに反省してほしい。 これから卒論を書こうとする下級生にひとつアドバイスをするなら、学校教育の集大成たる卒論の執筆がうまくいくかどうかの半分ぐらいは、テーマ選択に依存していることを肝に銘じてほしいということだ。テーマ選択を誤るとどんなにがんばってもよい論文は書けない。それほどテーマ選択には時間をかける必要があるということである。もちろん、テーマを選ぶためには関連する先行研究を探索して吟味し、検討することが欠かせない。結局のところ、ちゃんと勉強すればよい論文が書けるけれども、勉強しないと満足のいく成果は得られないという、極めてありきたりな結論に至る。 |
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キーワード1 | コミュニティ・ユニオン |
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キーワード2 | 二次組織化 |
キーワード3 | 居場所 |
キーワード4 | 組合員との絆 |
キーワード5 |