学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 上田 眞士 | 年度 | 2017年度 |
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タイトル | 「自動車」における過去と将来への可能性 |
内容 | 本論文では、戦後から現在に至り日本の経済発展の中核となる「自動車」について、過去と将来への可能性について様々な観点から問題を出し解決にあたる策を考えた。まず、自動車という根本的な物の原点から始まり、自動車を製造することになったきっかけなど、参考文献を活かし調べた。自動車普及による経済発展、道路の整備された背景、戦前と戦後で自動車に対する国からの需要の在り方も大きく違う。またこれから自動車は更なる発達が期待されている。将来的なクルマの形、あり方、利便性など深く追求する。さらに、これからの時代クルマへの自動運転システムの導入は確実で、それが社会的にどのような影響をもたらすのかを私なりの見解をした。AIがクルマに加わればタクシー会社は必要でなくなるなど、自動化により10年後無くなっている仕事も間違いなく多くあると考える。その辺りのメリット、デメリットも多くうかがわれ改善策など考えなければならない事は山積みだ。私は今後、自動車をつくる以外の自動車に対するスペシャリストにならなくてはいけない。その為にこれからの会社発展はもちろん、日本経済発展への可能性、海外とのこれからの関わり方の重要性を伺えながら、深い論文に仕上げた。 |
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講評 | 各自の卒論テーマを大雑把に分野別に括ってみると、「メンバーシップ雇用と新卒採用」「ブラックバイトと教員過重労働」「ベーシックインカムの可能性」「航空機パイロットの労働市場」「マーケティングと自動車産業の今後」「大阪都構想」等々となっています。これらの主題が表現しているものは、一方での経済・経営のグローバル化や市場主義、デジタル技術革新の展開、また他方では国内での種々の社会問題や労働問題の発生、仕事方式のありようの変化という、現代日本の雇用社会が展開しているダイナミズム、現実社会での当事者たちの苦闘に他なりません。個々の論文をとってみると、たしかに論理的な記述や掘り下げた問題把握という点で、精粗はあったように思います。しかし基本的には、卒論作成という大きな課題に対して、大変な就職活動の中でもゼミ生皆が真面目に取り組んでくれた、そのように考えています。そこで1年のゼミの最後に、ここでは論文執筆や考察に際して私が大事だと思うポイントを簡単に指摘して、皆さんの卒論作業を締めくくる講評としたいと思います。 大切なことは、一つには、論文の出来映えを決める物は、政策提言の「良否」にではなく、問題把握や理解の深さにこそあるのだということです。そして、そのためにも、幅広く学習するという態度をもって欲しい、そうした要望です。やはり参考文献の数が多く、広い視野から問題を考察している論文ほど、出来が良いように思われました。よく言われる建築の類比で言えば、「高い建物」を建てるためには、「広い土台」が必要になる。また、富士山の高嶺には、広大な裾野があるということになるでしょう。 また、いま一つには、皆さんの卒論は本質的に「批判的」な研究であってほしい、そうした要望です。現代日本の住人である我々が、その雇用社会の一断面を取り上げ、現に存在するものを正面から受け止めようとするわけだから、そこでは必ず何らかの課題意識や問題意識が生まれてくるはずです。そうした現実に対して抱く緊張感を、論理的に整序して記述しようする姿勢が、論文の作成にとってはとりわけ大事だと思います。昔のマルクスの言葉を借りれば、肯定的な理解のうちに否定的な理解を宿すということになるのかもしれません。それが問題把握や理解の深さ、広さにも繋がるのだと思います。 そして最後に、論文の基本的な作法についての事柄です。言いたいことは、自らが設定した記述の「対象」と、それに対して分析や考察を加えていく「自分」、この二つの目線の違いを論述に際してはきちんと確保して欲しい、それがしっかりとした文章であるかどうかを分かつ大事な一つのポイントとなるだろうということです。分かり易く例えでいえば、「企業経営」が「お客様は、・・・。」と言うとき、そのフレーズを論評する「自分」は、「お客様」ではなく、やはり「顧客」と表現すべきだということになるでしょう。論文にはたしかに沢山の重要な叙述の形式がありますが、以上の基本点が確保できていれば、後は技術的な問題ということになると思います。 とはいえ、古人も言うように「言うは易く行うは難し」。この点は良く分かっているつもりです。評価基準ではなく、論文執筆や考察の際の心がけだ、そのように考えて下さい。 |
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