卒業論文詳細

学科産業関係学科 ゼミ教員名樋口 純平 年度2017年度
タイトル日本のベンチャー企業の課題-国際比較的な視点から-
内容 本論文では、ベンチャー企業が何を示すのかを、ベンチャー企業が出来た歴史をたどった上で明らかにし、アメリカを中心とした諸外国のベンチャー企業との比較をすることにより、日本のベンチャー企業の課題とその原因を把握し、その解決策と今後のベンチャー企業の在り方を考える。
歴史をたどった結果、日本でベンチャー企業が生まれたのは1970年代で、日本はアメリカをモデルとし幾度かのベンチャーブームを起こしながら、ベンチャー企業の規模を拡大しより、ベンチャー企業の支援も充実させていった。しかし、国際比較をすると、いまだ世界レベルには及ばず、日本人は起業家に共通する共通点が育ちにくかったり、ベンチャー・ャピタルやビジネスエンジェルなどの起業支援が不十分であったり、という一言でまとめると環境が整っていないという問題が出てきた。
今後日本は少子高齢化が加速し、さらに若年層が減るという現状を考慮すると、若いうちから起業することは日本の経済の活性化に有効的であり、特に大学発ベンチャーを増やすという方針が望ましいと言える。
講評 卒業論文の作成にあたっては、自分が関心を持ったテーマについて、いろいろと本を読んでみてよかった、多少は苦しいながらも書き進める中に楽しさや充実感があった、と感じてほしいと思う。自分自身に向けて書く、という気持ちが大切と思う。
とはいえ、単なる自己満足に終わってもよくない。自分の設定したテーマについて、先行研究は何を語っているか、現状はどうなっているのか、を知る必要がある。すると、通常は、よく調べるほど自分に語るべきことがあまり残されていないことに気づく。そもそも、卒業論文でオリジナリティのある事実発見や考察を行うことは、たいへんむずかしい。それでも、先行研究を追いかけながら、自分なりに納得のゆくストーリーを展開することはできる。また、少数でもよく選んだ文献と格闘することで、意義のある考察をすることもできる。
本年度の樋口ゼミ生の卒業論文は、どうであったか。テーマ設定としては、私の専門分野である国際人事について論じたもの、昨今の働き方改革について論じたもの、ワークライフバランスや女性活躍について論じたもの、ベンチャー企業について論じたもの、いずれも紆余曲折はあったが、自分の問題関心を定めて取り組むことはできたのではないか。とりあえず、提出予定者が全員、無事に提出できたことにほっとしている。一方、多くの卒論について、もう少し早くスタートすれば、もう少し時間をかけて取り組めば、という感が残ることは否めない。就職活動や単位取得がきわめて順調であったことを考えれば、相当の余力があったはずである。せっかく先行研究を読んだのであれば、整理するのにとどまらず、多少なりとも批判的に検討することができたのではないか。展開したい持論があったのであれば、より丁寧に既存の文献と対峙する必要があったのではないか。そうすることで、卒論を書き上げた際の達成感は、やはり違ってきたように思われる。私自身の反省も述べたい。春学期は就職活動に追われざるをえないが、特に夏休み中の進捗管理をもっとしっかりやるべきであったと思う。ここをしっかり押さえれば、秋学期に踏み込んだ取り組みができたはずだから。また、ユニークな視点を持っていながらスタートがかなり遅れたことで惜しまれる結果になった論文もある。どうして遅れたのか、よく分からない。今後、分かるように努めたいと思う。
キーワード1 ベンチャー企業
キーワード2 ベンチャーブーム
キーワード3 環境
キーワード4 企業支援
キーワード5 大学発ベンチャー