学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 寺井 基博 | 年度 | 2018年度 |
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タイトル | 日本の職場で起きるパワー・ハラスメントについて ーなぜ起きてしまうのか、対策の術はないのかー |
内容 | 現在、日本社会には様々なハラスメントが存在している。大きな社会問題として早急に解決するべきであるが、その数は増える一方である。中でもパワー・ハラスメントは、最近スポーツ界などでも大きなニュースになり後を絶たない。 本論文は、こうしたパワー・ハラスメントが起きる根本的な原因を、日本の職場に絞り、産業関係学という視点から考察している。まずはハラスメントとパワー・ハラスメントの起源や定義についてまとめている。次に、現場の実態を数値で明らかにし、パワー・ハラスメントが起きる理由に迫る。その理由というのは、心理的要因や職場環境などの主観的な要因だけでなく、できるだけ客観的な要因を探り、日本の働き方の仕組みまで言及している。日本は欧米とは違い労働債務と達成目標ラインに余地があるため、その余地こそがパワー・ハラスメントの起きる原因だと考えたのである。また、欧米に比べ転職市場が活発でないため、被害に遭った場合の逃げ道がないこともパワー・ハラスメントが悪化する要因だと述べている。 |
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講評 | 本論文は、パワー・ハラスメントの原因を労使関係の観点から明らかにしようとする論考である。先行文献において諸外国でも類似の行為が存在することが指摘されるが、本論文はパワー・ハラスメントが諸外国に比べて日本でとくに大きな社会問題として取り扱われる原因として「職務を定めない雇用契約」が影響すると指摘している点が秀でている。 |
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キーワード1 | パワー・ハラスメント |
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キーワード2 | 労働債務と達成目標との余地 |
キーワード3 | 転職市場 |
キーワード4 | |
キーワード5 |