学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 冨田 安信 | 年度 | 2018年度 |
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タイトル | 働く男性の育児参加は必要なのか-北欧諸国に学ぶ- |
内容 | 日本の男性も6割が育児休業を取得したいと考えているが、実際に育児休業を取得する男性は5%にすぎない。日本の男性の育児参加を促進するため、オランダとスウェーデンの育児に対する考え方や制度を知り、日本が見習うべき制度があるかを考える。オランダでは家庭状況やライフスタイルに合わせた柔軟な働き方が認められている。労働者の約半数がパートタイムで働いており、週4日就労して3日家で過ごすという選択もできる。労働者には、いかなる理由でも週あたり労働時間の短縮を雇用主に申し出る権利が保障されている。スウェーデンでは男性の育児休業取得率が76%で、男性も育児や家事に参加している。「ダディマンス」「マミイマンス」は、父親も育児休業を取得し、母親だけが育児休業を取得するなどの育児の男女の役割分担をなくすための制度である。スウェーデンでは男性が育児参加する制度が整えられており、日本と比べると周りの人の目を気にせずに利用できるというメリットがある。日本でも、もっと多くの父親が家事や育児に積極的に参加する姿勢を示すことで、少しずつ日本の古い考え方や制度も変わっていくだろう。 |
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講評 | 今年度、特徴的だったことは、「働き方改革」に関連するテーマを選んだ学生が14人のうち6人いたことである。「働き方改革」という見出しを新聞やテレビニュースで目にすることも多く、学生にとっても関心の高いテーマだったようである。2人は働いている人々に自発的に長時間労働する動機について聞き取り調査し、1人は参与観察で、飲食店やコンビニで社員が長時間労働せざるをえない原因について分析した。長時間労働を是正するためには、企業が人事制度を改革し、仕事を見直すことが必要である。「働き方改革」に関する厚生労働省のガイドラインを丁寧に読んだり、働き方改革に取り組んでいる企業の事例を収集したりして、学生たちは論文をまとめた。 男性の家事・育児参加に関連するテーマを2人が選んだ。1人は、男性が積極的に育児参加することで、男女の伝統的な役割分担意識が変化していくという視点で書き、もう1人は、男性の育児参加が進むと女性の仕事と育児の両立が可能になり、子ども数が増えるという視点で書いた。関連するが、女性活躍について書いた学生は、日本と同じく女性管理職が少ない韓国では、アメリカのアファーマティブアクション政策を取り入れ、積極的に女性管理職を増やしていることを紹介した。 教育に関するテーマで論文を書いた学生が2人いた。1人は子どもの学力は親の遺伝子や所得に影響されるだけでなく、家族、地域、学校での人間関係、つながりにも影響されること述べ、もう1人は、高校卒業時の進路選択の1つとして専門学校進学に注目し、専門学校に進学して卒業した人々に、進学した理由を聞き取り調査した。 中小企業の抱える問題について書いた学生は、人手不足、女性活躍、事業継承について文献で明らかになったことを、中小企業の経営者に聞き取り調査することで確かめた。AIの発達が人間から仕事を奪うのかをテーマに書いた学生もいた。AIが発達することは、人間から仕事を奪うというより、深刻な人手不足を解決することにつながるのではないだろうか。 今年度のゼミ優秀論文には「地域間労働移動-経済学の視点からー」を選んだ。日本全体で見れば労働者の地域間移動は減少しているが、東京への一極集中は続いている。その理由を経済学の考えを使って説明しようとした。よく参考文献を読み、適当な統計資料を見つけてきたこと、何よりも、需要曲線と供給曲線のグラフを使った分析したところに経済学らしさを感じた。 |
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キーワード1 | 男性 |
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キーワード2 | 育児参加 |
キーワード3 | 北欧諸国 |
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