学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 樋口 純平 | 年度 | 2018年度 |
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タイトル | 柔軟な働き方に向けてーオランダのワーク・ライフ・バランスから学ぶー |
内容 | 本論文では、ワーク・ライフ・バランスの重要性について理解した上で、日本及びそれぞれ異なる特徴を持つ先進諸国と比較した文献を基に、「ワーク・ライフ・バランス先進国」と注目されるオランダのワーク・ライフ・バランスの特徴をつかみ、日本への示唆を得るため研究を進めた。 現在、国家の対策として「働き方改革」が進められ、ワーク・ライフ・バランスが重要視されている背景には、ますます進行する少子高齢化問題にある。少子高齢化は労働力不足へとつながり、また長時間労働問題へと発展する。そんな危機的な状況にある日本と裏腹に、ワーク・ライフ・バランス先進国と世界から注目される国がある。それはオランダである。オランダはパートタイム労働の割合が高く、パートタイムとフルタイムの均等待遇が実現されている。確かにワーク・ライフ・バランスを実現する上でオランダのパートタイム雇用は魅力的である。しかし、今の日本にオランダのパートタイム雇用モデルを導入するのは日本的雇用慣行の面からも困難であると考えられる。そこで日本が今、するべきことはまず長時間労働を是正することである。すべての人が決められた時間で効率的に働くことから、企業が労働者にとって時間に制約があることを前提とした業務管理や人材活用に切り替え、職場環境を変えていくことが大切である。 |
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講評 | 卒業論文の作成にあたっては、自分が関心を持ったテーマについて、いろいろと本を読んでみてよかった、多少は苦しいながらも書き進める中に楽しさや充実感があった、と感じてほしいと思う。自分自身に向けて書く、という気持ちが大切と思う。 とはいえ、単なる自己満足に終わってもよくない。自分の設定したテーマについて、先行研究は何を語っているか、現状はどうなっているのか、を知る必要がある。すると、通常は、よく調べるほど自分に語るべきことがあまり残されていないことに気づく。そもそも、卒業論文でオリジナリティのある事実発見や考察を行うことは、たいへんむずかしい。それでも、先行研究を追いかけながら、自分なりに納得のゆくストーリーを展開することはできる。また、少数でもよく選んだ文献と格闘することで、意義のある考察をすることもできる。 本年度の樋口ゼミ生の卒業論文は、どうであったか。テーマ設定としては昨年度に引き続きワークライフバランスを始めとした働き方改革について論じたものが中心となったが、自身の就職先企業や業種と関連づけて研究を行ったものも少なくなかった。商社に就職する者は商社マンのキャリア形成を題材としたり、種苗会社に就職する者は農業の海外進出を題材としたり、いずれも自身の将来に直接関係するテーマを取り上げたものである。こうしたタイプの研究には、メリットが少なからず存在するように思われる。社内のつてを頼りにインタビュー調査を実施したり社内資料にあたったりすることができるし、何より自身のより直接的な問題関心に支えられた研究のモチベーションを得ることができる。一方、働き方改革について論じた研究では、長時間労働の是正に関する比較的オーソドックスなものから地方公自治体のワークライフバランスのようなユニークなものまで、その切り口に自己の問題関心や個性が表れていたと思う。また、先行研究の豊富なテーマでは文献の渉猟が求められ、先行研究の乏しいテーマでは事例分析等にもとづいた自身の概念構成力が問われた。 以上のような本年度の卒業論文は、総じて構想から準備、執筆に至るプロセスが順調に進められたという印象がある。一方、総じて先行研究の検討に不十分さが見られることも否定しがたい。この点は、来年度に向けた教員自身の課題でもある。 |
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キーワード1 | ワーク・ライフ・バランス |
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キーワード2 | 少子高齢化 |
キーワード3 | オランダ |
キーワード4 | パートタイム労働 |
キーワード5 | テレワーク |