学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 樋口 純平 | 年度 | 2018年度 |
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タイトル | 若者の移動と定着について |
内容 | 本論文では「若者のUIJターンの実態」と「ハローワークが若者を地元の企業にマッチングさせるために行っている取り組み」について明らかにすることを指標に論じた。 若者のUIJターンの動向に注目することによって実際に若者の地域離れが深刻化しているのかどうかを調査した。実際は地方における教育機関の乏しさから大学や短大、専門学校への進学のため首都圏へと転出しており、就職を機に地元へUターンする若者が多くいることが明らかとなった。Jターン者については、出身地域の就職口の乏しさから出身県内の大都市にて就職する者が多く存在すること、Iターン者においては転勤等が主な理由で移住してくることが判明した。結果的に若者の地域離れが問題とされるほどの要因は確認されなかった。 また若者のUIJターンを分析するとハローワークの存在が大きいことが分かった。そのためハローワークが若者を地方の企業に定着させるための取り組みについて調べた。私は数ある制度の中でも3つの採用奨励金が最も若者を企業とマッチングさせる機能があると可能性を見出した。そしてハローワークが更に若者と企業をマッチングさせるためにはどうすれば良いのかを模索した。 |
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講評 | 卒業論文の作成にあたっては、自分が関心を持ったテーマについて、いろいろと本を読んでみてよかった、多少は苦しいながらも書き進める中に楽しさや充実感があった、と感じてほしいと思う。自分自身に向けて書く、という気持ちが大切と思う。 とはいえ、単なる自己満足に終わってもよくない。自分の設定したテーマについて、先行研究は何を語っているか、現状はどうなっているのか、を知る必要がある。すると、通常は、よく調べるほど自分に語るべきことがあまり残されていないことに気づく。そもそも、卒業論文でオリジナリティのある事実発見や考察を行うことは、たいへんむずかしい。それでも、先行研究を追いかけながら、自分なりに納得のゆくストーリーを展開することはできる。また、少数でもよく選んだ文献と格闘することで、意義のある考察をすることもできる。 本年度の樋口ゼミ生の卒業論文は、どうであったか。テーマ設定としては昨年度に引き続きワークライフバランスを始めとした働き方改革について論じたものが中心となったが、自身の就職先企業や業種と関連づけて研究を行ったものも少なくなかった。商社に就職する者は商社マンのキャリア形成を題材としたり、種苗会社に就職する者は農業の海外進出を題材としたり、いずれも自身の将来に直接関係するテーマを取り上げたものである。こうしたタイプの研究には、メリットが少なからず存在するように思われる。社内のつてを頼りにインタビュー調査を実施したり社内資料にあたったりすることができるし、何より自身のより直接的な問題関心に支えられた研究のモチベーションを得ることができる。一方、働き方改革について論じた研究では、長時間労働の是正に関する比較的オーソドックスなものから地方公自治体のワークライフバランスのようなユニークなものまで、その切り口に自己の問題関心や個性が表れていたと思う。また、先行研究の豊富なテーマでは文献の渉猟が求められ、先行研究の乏しいテーマでは事例分析等にもとづいた自身の概念構成力が問われた。 以上のような本年度の卒業論文は、総じて構想から準備、執筆に至るプロセスが順調に進められたという印象がある。一方、総じて先行研究の検討に不十分さが見られることも否定しがたい。この点は、来年度に向けた教員自身の課題でもある。 |
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キーワード1 | 若者の地域離れ |
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キーワード2 | UIJターン |
キーワード3 | ハローワーク |
キーワード4 | 採用奨励金 |
キーワード5 | マッチング |