学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 樋口 純平 | 年度 | 2018年度 |
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タイトル | 長時間労働の原因とこれから |
内容 | 本論文は、現在メディアにもよく取り上げられている「長時間労働」の今までとこれからについて考えたものである。 なぜ長時間労働が起こるのかであるが、この問題は大きく、制度的要因と文化的要因に分けて考えた。制度的要因では、時代の流れでの「労働時間規制の空洞化」、「日本型雇用システム」における「曖昧な職務内容」などが主な要因であることが明らかとなった。一方の文化的要因では「残業」「頑張ること」への企業側と従業員での「意識」の乖離が問題であった。 そして現在、政府は働き方改革をかかげ、労働時間規制の空洞化を変えていく政策を続けている。一方で「文化的要因」である「意識」の部分はこれから企業レベルで工夫をして推し進めていかなければ改善しない。また、「雇用システム」を成果主義へと移行するためには、まず文化的要因を企業レベルで解決してから、政府がルール化しなければ、国民性などが原因で浸透していかないことを感じた。このような結果から、まだ時間はかかるかもしれないが、「長時間労働」問題を解決するためには、企業と国での協力が不可欠であると私は考えた。 |
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講評 | 卒業論文の作成にあたっては、自分が関心を持ったテーマについて、いろいろと本を読んでみてよかった、多少は苦しいながらも書き進める中に楽しさや充実感があった、と感じてほしいと思う。自分自身に向けて書く、という気持ちが大切と思う。 とはいえ、単なる自己満足に終わってもよくない。自分の設定したテーマについて、先行研究は何を語っているか、現状はどうなっているのか、を知る必要がある。すると、通常は、よく調べるほど自分に語るべきことがあまり残されていないことに気づく。そもそも、卒業論文でオリジナリティのある事実発見や考察を行うことは、たいへんむずかしい。それでも、先行研究を追いかけながら、自分なりに納得のゆくストーリーを展開することはできる。また、少数でもよく選んだ文献と格闘することで、意義のある考察をすることもできる。 本年度の樋口ゼミ生の卒業論文は、どうであったか。テーマ設定としては昨年度に引き続きワークライフバランスを始めとした働き方改革について論じたものが中心となったが、自身の就職先企業や業種と関連づけて研究を行ったものも少なくなかった。商社に就職する者は商社マンのキャリア形成を題材としたり、種苗会社に就職する者は農業の海外進出を題材としたり、いずれも自身の将来に直接関係するテーマを取り上げたものである。こうしたタイプの研究には、メリットが少なからず存在するように思われる。社内のつてを頼りにインタビュー調査を実施したり社内資料にあたったりすることができるし、何より自身のより直接的な問題関心に支えられた研究のモチベーションを得ることができる。一方、働き方改革について論じた研究では、長時間労働の是正に関する比較的オーソドックスなものから地方公自治体のワークライフバランスのようなユニークなものまで、その切り口に自己の問題関心や個性が表れていたと思う。また、先行研究の豊富なテーマでは文献の渉猟が求められ、先行研究の乏しいテーマでは事例分析等にもとづいた自身の概念構成力が問われた。 以上のような本年度の卒業論文は、総じて構想から準備、執筆に至るプロセスが順調に進められたという印象がある。一方、総じて先行研究の検討に不十分さが見られることも否定しがたい。この点は、来年度に向けた教員自身の課題でもある。 |
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キーワード1 | 長時間労働 |
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キーワード2 | 日本型雇用システム |
キーワード3 | 意識改革 |
キーワード4 | 成果主義 |
キーワード5 |