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高度経済成長期以降、日本では「夫が外で働き、妻は家で家事・育児をする」という性別役割分業による家族形態が標準とされてきたが、現在の日本では夫婦の一方が働く家族よりも共働き家族が増え続けている。その結果として、最新の女性の年齢階級別就業率は、昭和61年と平成18年に比べて大幅にアップし、M字カーブの形を描くもののM字の底も上がっている。それに伴い、仕事と家庭のバランスがとれた生活をどう調和させるかが課題となり、男性の家事・子育ての協力が必要不可欠である。そこで男性の子育て参加の状況を見ると、6歳未満の子どもを持つ男性が家事・育児に関わることができる時間は海外諸国と比較しても一番短い結果となり、日本の男性は家事を85%、育児を69%の割合で行っていないとわかった。家事・育児に関わりにくい理由の一つに男性の長時間労働が挙げられ、4人に1人が週60時間以上働いているというデータもある。もちろん家事・育児に関わりたいと考えている男性はいて、2003年のUFJ総合研究所調査によると50%以上が関わりたいと望んでいるが、実際にそれができているのは25%である。また、夫婦が子育てをする中で、仕事の両立のしにくさを感じて生まれるワーク・ファミリー・コンフリクトや子育てに関わることでどのような効用をもたらすのかということにも触れ、男性の家事・育児参加の必要性を考える。 |