卒業論文詳細

学科教育文化学科 ゼミ教員名越水 雄二 年度2021年度
タイトルフランス革命期からナポレオン帝国までの教育制度の変遷
内容  本稿は、フランス革命期からナポレオン帝国期までの教育に関する思想や制度の変遷を明らかにすることを目的とし、特に革命期に大きく議論された初等教育と中等教育に焦点を当てて研究をしたものである。フランス革命が起こるまでは、現代では当たり前である国家が国民に一元的な教育を施す「公教育」は全くなされていなかった。しかし、革命によって「公教育」の必要性が注目されるようになり、それはナポレオン帝国でも目標とされた。このようになった背景には、ただ革命が起きたという理由だけではない。人々が主権を持っているという考え方が広まり、それまでの封建制の社会から、国民が主権者の位置につくことにより形成される「国民国家」への変容が、国家にとって国民を教育することの重大性が増す経緯となったのである。それらを踏まえて本稿では「公教育」がどのように取り沙汰され、それによって制度化されどのような結果になったのかを言及している。
講評  3年次(2020年度)に「教育文化学演習Ⅰ」「同Ⅱ」の第4クラス、すなわち、「西洋教育文化ゼミ」で学んだ14名は、4年次(2021年度)に12名が卒業論文、2名が卒業研究を提出しました。3年次も4年次も春学期の全体と秋学期末の1月には、コロナウィルス感染防止のためにゼミをオンライン式(Zoomミーティング)に変更せざるをえず、教員側から振り返れば、従来の形態での卒論・卒研指導は必ずしも満足には行えませんでした。
 しかし、全員が、自分で設定したテーマについて史資料を探し集め、それらを読み解いて検討を進め、考察した内容を分かりやすく伝える構成を工夫しながら卒業論文(2万字)または卒業研究(10万字)にまとめ上げられたことは、とても良かったと私は思います。それには個人による努力はもちろんですが、卒論の場合、ゼミで研究の中間報告とそれに基づく質疑応答や意見交換を重ねていたことも役立ったとすれば、ゼミの主宰者として幸いです。
キーワード1 フランス革命
キーワード2 公教育
キーワード3 国民国家
キーワード4 ナポレオン学制
キーワード5