卒業論文詳細

学科教育文化学科 ゼミ教員名兒島 明 年度2023年度
タイトル自己肯定感の度合いを決める要因の分析
内容  本稿では、自己肯定感の度合いを決める要因について、自身の自己肯定感について本人たちが何を要因として認識しているのか、そしてそれは先行研究の分析結果とどう相違するのか、ということに注目して検討した。本研究を通して得られた知見は、以下の3点に整理できる。第一に、「成功/失敗経験」が自己肯定感に与える影響は大きいと認識している人が多く、一方で「運」は影響が少ないと認識している人が多い。第二に、自己肯定感が高い傾向にある人は自分の軸をしっかり持っているのに対し、低い傾向にある人は基準が他者に委ねられている場合が多い。第三に、「他者からの評価」と「家族との関係性」という要因は、先行研究の分析結果に比べて、本人たちの中では自己肯定感とのつながりがあまり意識されていない。これらを踏まえ、小さな成功体験を積み重ねること、そして家族の存在を改めて意識することを自己肯定感を高める方法として私は提案する。

講評 学生間での日常的な話題にものぼりやすいという自己肯定感をめぐる論考です。本論文の特徴は、自己肯定感について本人がどのように認識し、自らを評価しているか、そしてそれを何と関連づけて考えているか、すなわち、論文中の言葉を用いれば「自認」の諸相を明らかにしたところにあります。本研究で対象とした特定の「自認」をもたらす構造的な要因は何なのか、興味が湧くところです。
キーワード1 自己肯定感
キーワード2 自認
キーワード3
キーワード4
キーワード5