内容 |
本論文では、女性の仕事(女性職)というイメージが強い看護師、保育士、介護士として働く男性の増加原因と、自分の仕事と性との間の葛藤に注目した。各々の仕事内容を明らかにした上で、業務中に自分が男性であることを意識したことがあるか、ある場合はそれをどう乗り越えたかを看護師3人、保育士2人、介護士2人から聞き取った。
その結果、看護師と介護士は手に職をつけて安定がほしいという理由が多いのに対して、保育士は職への憧れであった。女性職における男性の増加原因は、女性職という固定概念が低下していることにある。調査対象者の多くは、職業選択の際に自分が男性であることを意識していなかった。そのため、看護師と保育士は、女性職の中で自分が男性であることに対して葛藤したりや傷ついたりした経験があるのに対して、介護士はそれがないことが分かった。また葛藤にも種類があり、その乗り越え方も共通していて、自分は男性である前に職業人であり、ケアをする相手のことを考え仕事に臨むべきということに気が付くことで克服する。男性であることも自分の特徴の1つなので、使えることは使い、抑えるべきところでは抑えるとう形でコントロールすることが大切であるということが明らかになった。 |