内容 |
本論文は、障害児の母親の就労状況や就労しながら障害児を育てるための支援はどのようなものがあるのかを研究し、就労したいと考えている母親の支援ニーズと照らし合わせて今後どのような支援があるべきかを考察する。先行研究より、障害児の母親の多くは就労を希望しているが、定型発達児の母親に比べて就労率が低いということがわかった。また、障害児の母親の就労率が低い要因は、「障害をもつ子どもの通院や養育(学校の送迎を含む)のために働けない」、「子供を放課後や休日に預けるところがない」というものであった。障害児の母親が就労するためには、学校側が障害児の学校通学時の送迎を行う必要があると考えた。「放課後や休日に預けるところ」の不足に対しては、国が有資格者を増やすための支援や、人口が少ない地域で事業を行う企業を増やす支援をする必要があると考えた。また、障害児の母親が現在の仕事を継続しながら障害児のケアを行うには、それに配慮した職場環境づくりが行われる必要があると考えた。本論文を通して、障害児の母親が就労をしていること、または就労を希望している人もいることを前提として今後は支援を考えていく必要があると考えた。 |