学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 樋口 純平 | 年度 | 2020年度 |
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タイトル | AI×クリエイティブによる未来の働き方 |
内容 | 情報技術の急速な発展に伴い、今後AI(人工知能)が労働者に与える影響は大きいと考える。本論文では、人手不足による長時間労働、過労死が原因で要注意業界として取り挙げられている広告・メディア業界を中心に研究を進めた。その結果、広告業では顧客からの不規則な要望に迅速に対応するため、業務量が増えて人員不足となり、労働者のワークライフバランスが十分に保たれていないことが分かった。そこで、クリエイティブな仕事にAIを活用することで労働力不足を解消できるのではないかと考え、事例調査を進めた結果、すでに大手広告代理店で様々なツールが開発・利用されていることが分かった。 しかし、日本は海外に比べて情報を扱う専門家・エンジニアが不足しており、AIを導入することで人間同士のコミュニケーションが阻害されるという懸念がある。 そこで、人工知能によって収集され、管理されている情報を人間の好奇心や探究心に活用し、「AIが労働を奪う」という発想を「AIが労働を助ける」と捉えることが重要であり、この発想の転換によって創造力豊かな人材発掘に繋がるという結論に至った。労働問題の改善策として、単に労働人口を増やすのではなく、AIの力で労働の質を高めることを優先すべきである。 |
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講評 | 卒業論文の作成にあたっては,自分が関心を持ったテーマについて,自分なりに研究してよかった,多少は苦しいながらも書き進める中に楽しさや充実感があった,と感じてほしいと思う。自分自身に向けて書く,という気持ちが大切と思う。 とはいえ,単なる自己満足に終わってもよくない。設定したテーマについて,先行研究は何を語っているか,現状はどうなっているのか,を知る必要がある。すると通常は,よく調べるほど自分に語るべきことがあまり残されていないことに気づく。そもそも,卒業論文でオリジナリティのある事実発見や考察を行うことは,たいへんむずかしい。それでも,よく選んだ文献と格闘することで自分なりの解釈を展開することはできるし,先行研究の隙間を見つけて自ら実態調査に取り組むことも可能である。 本年度の樋口ゼミ生の卒業論文は,どうであったか。多様なテーマの中にも,いくつかのパターンが見受けられたように思う。1つは女性活躍や長時間労働の問題等,例年見られる比較的オーソドックスなテーマを対象としたものである。選択されることの多いテーマとは言え,研究のプロセスで議論を重ねながら各自の問題意識と分析視角に応じた学びと納得の様子を確認することができた。また,別のパターンとして,3回生の学生研究報告会で取り組んだグループ研究のテーマ(「南アフリカの人事・労使関係」)を卒業論文として発展させたものもある。ダイバーシティの問題を軸として,日本企業への示唆を含めた分析と考察を展開している。海外の文献資料も含め,既に先行研究の検討と議論を重ねたテーマを各自でさらに深めたことによる苦労と達成感があったのではないか。さらに,医療従事者の労働問題や料理人の人材育成など,独自性の高いテーマに挑戦した者もいる。これらのテーマは指導教員の見識が限られている分,他のテーマ以上に自らの文献研究やインタビュー調査の努力が要求されることとなった。そこに各自の持ち味がよく表れたように思う。 以上のような本年度の卒業論文は,構想から準備,執筆に至るプロセスに例年よりも総じて遅れが生じた印象がある。今年は1学年あたりの人数が多かったことに加えて新型コロナウィルスの発生もあり,スケジュール管理や進捗管理が少なからず影響を受けた。こうした状況についての対応力向上は,来年度以降に向けた教員自身の課題としたい。 |
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キーワード1 | 長時間労働 |
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キーワード2 | 過労死 |
キーワード3 | ワークライフバランス |
キーワード4 | AI |
キーワード5 | クリエイティブ |