学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 樋口 純平 | 年度 | 2020年度 |
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タイトル | アスリートのセカンドキャリア |
内容 | 本論文では、日本におけるアスリートのセカンドキャリア問題とその対策を整理し、海外と比較した上で、スポーツキャリアを次の社会(セカンドキャリア)で活かすための施策を検討した。 整理の結果、アスリートのセカンドキャリア移行は、今後ますます困難なものとなっていくことが容易に考えられる。また、日本政府も「スポーツ基本計画」を立てJOC(日本オリンピック委員会)を中心に対策していることが判明した。しかし、現状の対策では、不十分な点も多く、海外の事例を参考に日本の今後の施策の検討を行った。海外と日本においては、スポーツ体系の違いから、取るべき施策の方向性は異なるが、若年層からのセカンドキャリアの意識づけが重要であるという点が判明した。 しかし、日本・海外どちらの政策においても、スポーツキャリアの特殊性を活かし、そのキャリアの社会的価値を高めるような施策は行われておらず、今後スポーツキャリアという特殊な経験を活かす施策が必要であると考えられる。 |
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講評 | 卒業論文の作成にあたっては,自分が関心を持ったテーマについて,自分なりに研究してよかった,多少は苦しいながらも書き進める中に楽しさや充実感があった,と感じてほしいと思う。自分自身に向けて書く,という気持ちが大切と思う。 とはいえ,単なる自己満足に終わってもよくない。設定したテーマについて,先行研究は何を語っているか,現状はどうなっているのか,を知る必要がある。すると通常は,よく調べるほど自分に語るべきことがあまり残されていないことに気づく。そもそも,卒業論文でオリジナリティのある事実発見や考察を行うことは,たいへんむずかしい。それでも,よく選んだ文献と格闘することで自分なりの解釈を展開することはできるし,先行研究の隙間を見つけて自ら実態調査に取り組むことも可能である。 本年度の樋口ゼミ生の卒業論文は,どうであったか。多様なテーマの中にも,いくつかのパターンが見受けられたように思う。1つは女性活躍や長時間労働の問題等,例年見られる比較的オーソドックスなテーマを対象としたものである。選択されることの多いテーマとは言え,研究のプロセスで議論を重ねながら各自の問題意識と分析視角に応じた学びと納得の様子を確認することができた。また,別のパターンとして,3回生の学生研究報告会で取り組んだグループ研究のテーマ(「南アフリカの人事・労使関係」)を卒業論文として発展させたものもある。ダイバーシティの問題を軸として,日本企業への示唆を含めた分析と考察を展開している。海外の文献資料も含め,既に先行研究の検討と議論を重ねたテーマを各自でさらに深めたことによる苦労と達成感があったのではないか。さらに,医療従事者の労働問題や料理人の人材育成など,独自性の高いテーマに挑戦した者もいる。これらのテーマは指導教員の見識が限られている分,他のテーマ以上に自らの文献研究やインタビュー調査の努力が要求されることとなった。そこに各自の持ち味がよく表れたように思う。 以上のような本年度の卒業論文は,構想から準備,執筆に至るプロセスに例年よりも総じて遅れが生じた印象がある。今年は1学年あたりの人数が多かったことに加えて新型コロナウィルスの発生もあり,スケジュール管理や進捗管理が少なからず影響を受けた。こうした状況についての対応力向上は,来年度以降に向けた教員自身の課題としたい。 |
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キーワード1 | スポーツキャリア |
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キーワード2 | セカンドキャリア |
キーワード3 | JOC(日本オリンピック委員会) |
キーワード4 | 学校中心型 |
キーワード5 |