学科	教育文化学科	ゼミ教員名	兒島　明	年度	2023年度
タイトル	異文化のフィールドに適応する過程における対人関係構築の影響について ―留学経験者を対象にしたライフストーリーインタビューを通して―

内容

本稿では日本に住む外国人留学生の日本の生活への適応のために、日本人のどのような支援が求められているのかという問いから、留学生の異文化適応の過程において現地での対人関係の構築がどのような影響を及ぼしているのかを分析している。 　４人の留学生への半構造化インタビューの結果、友人などの継続的に力になってくれる心理的な援助であるソーシャル・サポートのネットワーク形成が異文化適応に効果的に働いていることがわかった。また対人関係態度の文化的差異が大きい場合は交流を重ねることで調整するという適応の過程もみられた。 　異文化適応にかかる時間について外出の頻度や遊ぶ経験をすることが関係していることがわかった。また外出場所の多様化の背景には留学先での対人関係の構築が影響していた。このことから留学生の支援として留学生同士の交流や留学生との交流に興味のある日本人学生と交流できるイベントの積極的な実施が効果的だと考えられる。

講評	留学生の異文化適応過程におけるソーシャルサポートの重要性を論じた労作です。とりわけ、留学経験のある4名の大学生に対してそれぞれ二度にわたって実施したインタビュー調査により、留学先における行動の変容の実態とそれを下支えする対人関係構築の過程を関連づけながら、具体的に描きだした点に本論文の特徴があると言えるでしょう。留学生支援における学生間交流の重要性を裏づける結果と言えます。

キーワード1	異文化適応
キーワード2	留学生
キーワード3	対人関係
キーワード4	ソーシャル・サポート
キーワード5	遊ぶ