内容 |
本稿は、筆者がアルバイト先で起こっているアルバイトとパートの不合理な格差に疑問を抱いたことから出発し、なぜ同じ仕事をしているのに格差が起こりそれが是正されないのか、その実態を明らかにすることを目的としている。現在日本では「同一労働同一賃金」という原則が厚生労働省により掲げられているが、それは正規・非正規労働者間の格差を禁じたもので、非正規労働者間の格差は禁じられていない。そのためパートとアルバイトの賃金格差は横行していると考えた。
企業側としては、学生は稼ぎすぎてしまうと親の扶養から外れてしまうため、できるだけ多くの時間シフトに入ってもらうには時給を低く設定せざるをえないのかもしれない。他にも様々な観点から考察した結果、賃金格差問題は、①賃金格差問題への若者の関心が低いこと、②「同一労働同一賃金ガイドライン」は正規労働者と非正規労働者の間にのみ適用されること、③日本の賃金制度である職能等級制度が曖昧性を帯びていることなど、様々な問題が積み重なった上にある問題だと考えた。格差をなくすには前述した①?③の特徴を1つ1つ見直していくことが必要となるだろうが、特に「同一労働同一賃金ガイドライン」の適用範囲拡大は、学生アルバイトへの認知度向上と問題意識の植え付けの点で今後最も重要になってくると筆者は考えている。 |