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昨今のアニメ市場は活気に満ちており、2020年に「鬼滅の刃」が大ヒットし、社会現象を巻き起こしたのは記憶に新しいのではないだろうか。そのような多くのアニメ作品を世に送り出しているのが所謂アニメーターと呼ばれる職業である。しかし、世間一般的にはアニメーターという職業は低賃金や長時間労働などの問題がはびこるブラックな職業であるという認識が強い。ただし、アニメーターといっても、担当する工程によって給料や労働環境の水準は大きく異なっており、アニメーター全体がブラックというのは語弊があると考えている。
アニメ制作は多くの工程が作業を分担して行う分業構造で成り立っている。その中でも初期キャリアでもある動画工程、多くのアニメーターが担当している原画工程などといった、作業工程の総称である作画工程は、世間一般的なアニメーターのイメージに比較的近しいものがあるように考えている。そこで本論文では現状のアニメ制作において、主に作画工程のアニメーターが抱えている労働問題とそれらの問題の改善案について考察をしていく。
考察の結果、「初期キャリアにおける低賃金」と「制作作品数の多さによる制作キャパシティの限界」が、特に優先して改善していくべき問題であると結論づけた。この二つの問題が、アニメーターの低賃金・長時間労働という問題の核心に位置していると考える。
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