学科 | 教育文化学科 | ゼミ教員名 | 山田 礼子 | 年度 | 2021年度 |
---|---|---|---|---|---|
タイトル | 大学におけるスポーツ推薦入学者の進学動機と入試の問題点について |
内容 | 学生・大学が多様化する現在、入試制度も多様化が進行している。その中でもスポーツ推薦入試について、進学動機と入学後の学生生活に焦点をあて、スポーツ推薦入試の大学教育としての問題点を明らかにすることを試みた。その結果、大学やスポーツが主な進学動機として共通しており、スポーツ推薦入学者は学部・学科への意識が少ない傾向があった。しかし、順位は低いが希望する学部があった人も一定数いることも明らかになった。また、入学後に関しても、高校時に積み重ね学習を行って来なかった場合、英語や学部ごとの専門科目の一部などの積み重ねを必要とする科目では、学生が苦労するという傾向があった。つまり、学部への進学動機と高校時の積み重ねがないことが重なると大学への適応はプラスにならないと言え、高校生をスカウトをする時点で、学部・学科を決定していることが問題点であり、学部の性質や高校生の学習状況などを精査する必要がある。 |
---|
講評 | 本年度の卒業論文を執筆した学生は20000字を全員が選択し、11 名が提出した。 今年の学生たちは、比較的早期から課題を設定して課題に取り組んだといえる。また、当該ゼミでは大学院生を交えてのゼミでのディスカッションも日常化していることもあり、大学院生からのアドバイスを受けながら、課題に取り組み、アドバイスを受けて、修正した内容を教員に提出するというプレセスが機能したと評価できるだろう。 2020年から突如起こったCOVID-19で今年度卒論を執筆した学生たちは、コロナ禍で3年生の演習を経験し、春学期は完全オンライン、秋学期はオンラインと対面式の併用で演習を進めてきた。4年次も同様にオンラインによる個別指導と全体での演習内での発表等を併用してきた。毎年行う卒論のための合宿も経験していない。そのような状況においても、計画を立てながら、早期からテーマに取り組み、オンラインでの個別指導を有効に利用して全員が複数回の卒論の修正を行うというプロセスを通じて提出に至った。 当該ゼミでは、データを収集し、それを分析することが基本となっているため、早期からデータ収集に取り掛からなければ、分析と卒業論文執筆までこなすことはむずかしい。この点でのコロナ禍の影響が大きかったことは否定できない。今年の学生はインタビュー調査が多かったが、対面式では難しいため、全員がオンラインでのインタビューとなっていた。オンラインの経験があるからインタビューもかなり円滑に進めることができたとは予想するが、やはりフィールドワークにも関係するような対面式でのインタビューを行うことで、本音の部分も体感できるところがあるので、そこは残念に感じる。質問票による量的調査においては、オンラインフォームによる調査を実施し、相当な数の回答数を集めることができていた。今までは、紙による質問票であったのだが、オンライン調査もこれからの選択肢になることを証明できたと思う。 テーマとしては、高等教育が重たるテーマであった。それぞれ、現在高等教育が直面している課題を取り扱っている。もう少し、掘り下げてほしいというような面もあるが、それでも全員がオリジナルな視点を提示していた。また、近年減少していたジェンダーと高等教育という切り口でのテーマが再度浮上したことも、時代の趨勢を反映しており、個人的には良い傾向であると考えている。内容的にも現代の社会問題につながるような切り口で分析されていた。 |
---|
キーワード1 | スポーツ推薦 |
---|---|
キーワード2 | 大学入試 |
キーワード3 | |
キーワード4 | |
キーワード5 |