内容 |
アルバイトが企業にとっての労働力となりつつある現代で、アルバイトの人手不足は深刻化している。そのような状況の中で、アルバイトのモチベーションを高めて人材を確保し、維持することにつなげるような工夫が求められている。先行研究で、労働者の制御焦点によって、モチベーションの高まり方には差があることがわかっている。また、組織において、メンバーに対するフィードバックは重要なコミュニケーションであることから、本稿ではアルバイトの制御焦点と上司からのフィードバックに着目した。
アルバイトに従事している118名のデータを分析した結果、ポジティブフィードバックがモチベーションを強く促進することが明らかになった。その一方で、利得接近志向の人がポジティブフィードバックをもらうとモチベーションが強く促進されたり、損失回避志向の人がネガティブフィードバックをもらうと、モチベーションが促進されたりすることはなかった。結果的に、アルバイトの制御焦点にかかわらず、ポジティブフィードバックをもらえばモチベーションは促進されるが、ネガティブフィードバックをもらっても、モチベーションが促進されることはなかった。
今回の研究では、一般の制御焦点の測定尺度を使用したが、今後、アルバイトに特化した制御焦点の測定尺度を使用して、制御焦点とモチベーションの関係を検討する必要がある。 |