学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 樋口 純平 | 年度 | 2021年度 |
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タイトル | 総合商社とコンサルティングの業界比較 ―三菱商事とアクセンチュアの組織体制から紐解くー |
内容 | 本論文では、学生時代における就職活動の経験を基に、人気業界である総合商社とコンサルティング業界が支持される要因、また志望業界の変化について、組織体制の観点から研究していく。2000年代以降、総合商社をはじめとする日系大企業の絶大な人気があった一方で、2010年代後半より、就職先として外資系コンサルティングファームの人気が高まりだした経緯がある。人気の高まりには理由があり、それには組織や人事制度が関係しているのではないかとの仮説を立てた。今回ピックアップする企業は「三菱商事」と「アクセンチュア」であり、いずれも業界を牽引するリーディングカンパニーである。結論としては、両企業の人事制度設計に大きな違いがあるなかで、現代の就活生は成果報酬と年功序列型の報酬それぞれの特性と自身の能力を照らし合わせ、成長が見込める環境を探し出し、将来的なキャリアアップを想定している。そのため就職先を検討する際、能力がある高学歴の学生ほど成果報酬制度とワークライフバランスが整っており、転職市場においても価値の高いコンサルティングファームを志望する傾向が見られると考える。 |
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講評 | 就活生の注目度の高さという観点から,総合商社と大手コンサルティングファームにおける人事管理の比較検討を行った。キャッチーな課題設定に対して,分析では「キャリア開発」,「報酬管理」,「ワークライフバランス」という観点から各社人事制度の設計と考え方を記述するという産業関係の正統な方法論をとっており,その結論にも説得力がある。 【全体への講評】 卒業論文の作成にあたっては,自分が関心を持ったテーマについて,自分なりに研究してよかった,多少は苦しいながらも書き進める中に楽しさや充実感があった,と感じてほしいと思う。自分自身に向けて書く,という気持ちが大切と思う。 とはいえ,単なる自己満足に終わってもよくない。設定したテーマについて,先行研究は何を語っているか,現状はどうなっているのか,を知る必要がある。すると通常は,よく調べるほど自分に語るべきことがあまり残されていないことに気づく。そもそも,卒業論文でオリジナリティのある事実発見や考察を行うことは,たいへんむずかしい。それでも,よく選んだ文献と格闘することで自分なりの解釈を展開することはできるし,先行研究の隙間を見つけて自ら実態調査に取り組むことも可能である。 卒業論文に真剣に取り組めば,書き進めるほどに執筆の目的が他者の評価よりも自分自身の納得に変わってくるように思う。「ここまで多くのことを書くつもりではなかった。」「ここまで内容にこだわるつもりではなかった。」ゼミ生が卒論執筆後にもらすこのような感想を,今年も聞くことができたことを嬉しく思う。 |
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