学科 | 産業関係学科 | ゼミ教員名 | 樋口 純平 | 年度 | 2021年度 |
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タイトル | 戦略の軸としての障害者雇用と働き方改革への影響 ―弱さを活かす企業づくり― |
内容 | 障害者雇用の促進は、日本全体の働き方改革を後押しすることにつながるのではないか。この仮説を元に本稿では、障害者雇用の基礎知識、問題点を整理した上で、障害者雇用の効果やその促進方法について論じた。問題点としては、障害者雇用に関する認識の問題、雇用数の問題、待遇や働きがいに関する問題の3点を挙げた。そして、この3点は独立して存在しているのではなく、互いに強い相関関係があると筆者は考える。これらの課題を複合的に考えるために、先行研究から筆者独自の分析のフレームワークを作り、それを元に優良企業の事例分析を行なった。その結果、障害者を雇用する上で重要な事項を2点導き出した。それが、「障害者雇用のメリットを全体成果で捉えること」、「会社が変わること」である。また、各企業が雇用に向けた取組を広め、共有することも重要であると述べた。最後に、障害という「弱さ」と向き合い積極的に活かしていくことこそ、働き方改革推進の糸口になると結論づけている。 |
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講評 | 企業が障害者者雇用に対してポジティブに取り組むための方策を探った。この論文で特筆すべきは,先行研究を丁寧に整理した上でオリジナルな分析枠組みを設定し,それにもとづく企業事例の分析を行っていることである。必ずしも十分に洗練されたものではないが,著者の自分の頭で考える力が随所に見られる秀作である。 【全体への講評】 卒業論文の作成にあたっては,自分が関心を持ったテーマについて,自分なりに研究してよかった,多少は苦しいながらも書き進める中に楽しさや充実感があった,と感じてほしいと思う。自分自身に向けて書く,という気持ちが大切と思う。 とはいえ,単なる自己満足に終わってもよくない。設定したテーマについて,先行研究は何を語っているか,現状はどうなっているのか,を知る必要がある。すると通常は,よく調べるほど自分に語るべきことがあまり残されていないことに気づく。そもそも,卒業論文でオリジナリティのある事実発見や考察を行うことは,たいへんむずかしい。それでも,よく選んだ文献と格闘することで自分なりの解釈を展開することはできるし,先行研究の隙間を見つけて自ら実態調査に取り組むことも可能である。 卒業論文に真剣に取り組めば,書き進めるほどに執筆の目的が他者の評価よりも自分自身の納得に変わってくるように思う。「ここまで多くのことを書くつもりではなかった。」「ここまで内容にこだわるつもりではなかった。」ゼミ生が卒論執筆後にもらすこのような感想を,今年も聞くことができたことを嬉しく思う。 |
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キーワード1 | 障害者雇用 |
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キーワード2 | 法定雇用率 |
キーワード3 | 戦略化 |
キーワード4 | 働き方改革 |
キーワード5 |